事業再構築補助金は個人事業主・フリーランスも申請できるのか?

事業再構築補助金個人事業主画像

 

2021年3月に予定されている、事業再構築補助金(中小企業等事業再構築推進補助金)の初めての公募では、「中小企業等」とあることから、その「等」に個人事業主・フリーランスが含まれるのか、今から気になっている方もいるでしょう。

この記事では、個人事業主・フリーランスに、事業再構築補助金が適用される可能性があるのかどうか、いくつかの根拠をもって検討していきます。

事業再構築補助金は個人事業主・フリーランスにも適用される! 形式的な理由

中小企業庁が2021年2月15日に発表した『事業再構築補助金の概要』によれば、「中小企業の範囲については、中小企業基本法と同等」とハッキリ書かれています。

そして、中小企業基本法2条1項各号には「会社及び個人」と明記されていることから、事業再構築補助金の支給対象にも、個人事業主・フリーランスが含まれるのは自然な取り扱いだと考えられます。

そもそも、経済産業省ならびに中小企業庁が運営する、事業者向け補助金で、法人のみを対象にし、個人事業主・フリーランスのみが排除されている例は過去にないと見られています。

同じように、事業再構築補助金が個人事業主・フリーランスを対象から外す合理的な理由もないと考えられます。

それに、2020年12月1日付 日本経済新聞の記事で「現在は中小企業に最大200万円を給付する経済産業省の「持続化給付金」があるが、政府は予定通り21年1月までで受け付けを終える方向で検討している。新しい補助金は事実上の後継制度となる」と指摘されています。

持続化給付金は、会社だけでなく、個人事業主にも100万円を支給しました。その持続化給付金の後継支援策が事業再構築補助金なのだとすれば、やはり個人事業主・フリーランスを対象にしていると捉えるのが自然でしょう。

事業再構築補助金は個人事業主・フリーランスにも適用される! その実質的な理由

事業再構築補助金は、2020年から世界的に蔓延している新型コロナウイルスの感染予防にともなう緊急事態宣言・外出自粛要請の影響で、消費や企業活動が低調になった結果、売上が落ち込んだ「中小企業等」に対して、今後の業態転換や新業種への進出にかかる費用の一部を補助するというしくみです。

ただ、ある程度の資本的基盤がある中小企業(法人)の多くが、コロナ禍の影響を受けて経営危機に陥っています。

ましてや、法人よりも資本的な基盤が総じて弱く、発注元であるクライアント企業との間で立場の格差が生じやすく、コロナ禍にひとりで立ち向かわなければならない個人事業主やフリーランスの多くは、中小企業よりもコロナ禍の影響が直撃しているといえます。

よって、事業再構築補助金が導入されたそもそもの理由まで考え合わせた実質的な意味でも、「中小企業等」にフリーランス・個人事業主を含めなければ、全体のつじつまが合わないというべきなのです。

個人事業主の「賃上げ要件」は、どうすべきか

個人事業主・フリーランスが、事業再構築補助金を補助金申請するにあたって、問題となりそうなのは「補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加」または「従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加」の達成、という要件です。

事業再構築補助金で、付加価値額とは「営業利益+人件費+減価償却費」として算出されます。ここで問題となるのは個人事業主・フリーランスの人件費です。

人件費のほとんどは、従業員に支払う給与となります。たとえば、従業員のいない一人会社でも経理上、代表取締役が自分自身への給与を支払っている取り扱いにしていることが多いでしょう。会社と代表者は法律上、別人格として扱うからです。

つまり、会社の口座と代表者のプライベート口座を分けて、売上の一部を給与として、代表者のプライベート口座に入れているのです。これは「人件費」としてカウントできます。

ただ、法人成りしていない(会社を設立していない)個人事業主・フリーランスは、事業用の口座から必要経費だけでなく、自分のプライベートの生活費も出していることが多いのです。

それ自体が悪いわけではないのですが、事業再構築補助金の「付加価値額」が明確にならない、あるいは上昇させにくい点で、デメリットです。

会計帳簿上は、事業用口座からの生活費支出を「事業主貸」などとして計上されているでしょうが、これを人件費(給与)として扱うのは無理があり、「ゼロ」としなければなりません。

そうなると、付加価値額の中に人件費をカウントできず、実質的に「営業利益+減価償却費」として計算しなければならないため、事業再構築補助金の申請をする上で、将来の年率平均3.0%の条件をクリアするのに不利な条件を強いられます。

よって、事業再構築補助金を申請する個人事業主・フリーランスは、付加価値額に人件費を加えるため、申請の前に事業用口座とプライベート用口座を分けることがおすすめです。そして毎月の給与として一定額をプライベート口座に振り込む取り扱いにするのです。

そうすると、人件費の額が明確になり、その「自分が自分へ支払う」給与額を毎年少しずつ引き上げていけば、付加価値額の「年率平均3.0%」の条件を将来クリアするものと、事業計画書などでアピールする下地が整います。

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そのほか、個人事業主向けの支援制度

個人事業主・フリーランスが被った新型コロナからの経済的ダメージを公的に補助するものとして、事業再構築補助金のほかにも、次の制度があります。

家賃支援給付金

緊急事態宣言や外出自粛要請の影響が大きかった2020年5月~12月の間で、前年比で一定割合で減収の事実があった個人事業主に対して、家賃の3分の2に相当する額を6か月分、支給している事業です。ただし、家賃月額37万5千円を超える部分に関しては、3分の1に相当する額が支給されます。月額あたり50万円が家賃支援の上限です。

協力支援金

飲食店舗を経営している個人事業主が、都道府県知事の発令する営業時間短縮要請などに従って、営業を短縮した場合には、その短縮営業による減収を補填するため、1日あたり4万~6万円が支給される制度です。

営業時間短縮要請の内容は、20時までの閉店、19時までの酒類提供です。

一時支援金

緊急事態宣言・外出自粛要請によって、直接の売上減の影響を受けた個人事業主(たとえば、客が激減した飲食店に食材を納品していた農業者・漁業者・猟師、飲料品業者、そのほか飲食に必要な品物を提供している個人事業主、あるいは宿泊業・観光業・旅客運送業・タクシー業などを営む個人事業主)が、前年比で50%以上の減収をした場合に、30万円を支給しています。

小学校休業等対応支援金

小学生の子どもを持つ単身の個人事業主・フリーランスに対する支援策です。
2020年2月27日~2021年3月31日までの間に、新型コロナウイルス感染症予防を目的とした小学校の休校等や、子どもの新型コロナウイルス感染症の発症・陽性反応、またはその疑いにより、自宅等で子供への世話をしなければならなくなったため、本来しなければならなかった仕事をできなくなった個人事業主・フリーランスに対し、働けなくなった日数に応じて、日額7,500円を支援しています。

まとめ

個人事業主だからと諦めている方は、もし事業再構築となる事業アイデアがある方は、1次募集で申請することをおすすめします。なかりの申請数が予想されますが採択率も例年高いので、できるだけ早くお近くの金融機関や専門家にご相談ください。
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