事業再構築補助金の書類作成どうすればいいのか?

事業再構築補助金事業計画書画像

 

2021年3月から、事業再構築補助金(中小企業等事業再構築推進補助金)の公募が始まる見込みです。

この事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの感染予防を理由に、緊急事態宣言・外出自粛要請が出された結果、経営が傾いてしまった企業を対象にして、支給される補助金です。

新型コロナの終息後の時代(アフターコロナ)を見据えて、思い切って新しい業界へ進出したり、今までの固い殻を破って業態転換にチャレンジしたりする場合、そこにかかった経費の一部を補助することになっています。

新型コロナウイルスの影響、そのダメージから立ち上がり、さらに前向きに自分と自社を変えて、経営を立て直していこうとする方々を、100万円~6000万円(中小企業向け通常枠の場合)という補助額で力強くバックアップする補助金です。

事業再構築補助金は、ものづくり補助金等に匹敵する大型の補助金として期待されています。

では、事業再構築補助金の申請では、どのような書類が必要で、どのように書けば採択のために裕利に評価されやすくなるのでしょうか。

※この記事は、公募前である2021年2月20日現在の情報を基に書いています。常に、経済産業省や中小企業庁などの公的機関が発信する最新情報と照らし合わせながら、参考にしていただきたいです。

事業再構築補助金の申請で必要な書類とは?

「事業再構築補助金」申請書の具体的な書き方は、公募前の段階で明らかになっていません。

電子申請のみ受付

少なくとも、紙による申請書は用意されない見込みであることは明らかとなっています。「電子か紙か、どちらかを選べる」という運用にならない予定ですので、ご注意ください。

もし、申請に添付する証拠書面などが紙しかなければ、スキャナを使ってデータ化するか、カメラで撮影して画像化するか、の手続きが必要となります。

事業再構築補助金の電子申請には「GビズIDプライム」が利用されるため、「GビズIDプライムアカウント」の取得が必須となります。

この「GビズIDプライム」は、ほかの補助金電子申請にも使えるため、これを機にアカウントを取得しておくといいでしょう。

アカウントの発行には、2~3週間を要する場合があります。余裕をもって取得手続きを行ってください。
2020年には、最速で即日発行されるGビズID暫定アカウントもありましたが、現在では廃止されていますので、ご注意ください。
GビズIDプライムについて

事業再構築補助金で最も重要な書類

事業再構築補助金申請で最も重要な書類は、事業計画書だと考えられます。

なぜなら、中小企業庁が2021年2月15日に発表した『事業再構築補助金の概要』によれば、「補助金の審査は、事業計画を基に行われます。採択されるためには、合理的で説得力のある事業計画を策定することが必要です」と明記されているからです。

事業計画書は、将来数年間にわたる自社の取り組み予定や売上見込みなどについて報告する書類です。

将来の予測だからこそ、「こうなったらいいな」という空想に基づく、ただの「ご都合主義」の「絵に描いた餅」になっては、事業再構築補助金の審査では通用しません。

新分野への進出や業態転換によって「こんな社会を実現したい」といった熱いビジョンの一方で、会計上の根拠にのっとった冷静な分析で、数字をベースにした予測を出すことが重要となります。

また、『事業再構築補助金の概要』には「事業計画は、認定経営革新等支援機関と相談しつつ策定してください。認定経営革新等支援機関には、事業実施段階でのアドバイスやフォローアップも期待されています」とも書かれています。

つまり、一部の補助金申請で必須となっている認定経営革新等支援機関による確認が、事業再構築補助金でも必須になる可能性が高いです。

認定経営革新等支援機関とは、中小企業等の課題を解決するために、その専門知識やノウハウを生かして支援し、その企業の経営の安定や成長のためにバックアップする組織や個人のことです。

関連記事:事業再構築補助金について詳しく解説

たとえば税理士や公認会計士、中小企業診断士などの国家資格者のほか、民間コンサルティング会社が就任しています。

中小企業庁がまとめている認定経営革新等支援機関一覧が地域別で公開されていますので、そちらも参考にしてください。

さらに、『事業再構築補助金の概要』では「事業計画に含めるべきポイントの例」として、次の4項目を挙げています。

現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性
事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)
事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題やリスクとその解決法
実施体制、スケジュール、資金調達計画、収益計画(付加価値増加を含む)

軸足を残す「ピボット経営」が有利

これらの要素から、「自社の強み」を生かし「弱み」を把握しない事業計画は、たとえ用意周到な新業界進出や、画期的な業態転換であっても、事業再構築補助金の申請審査の中では、評価されないと考えられます。

たとえば、地元で洋品店を営んでいた中小企業の経営者が、コロナ禍のために客足が遠のき、経営がピンチになったからといって、一念発起して「ベトナムでうどん屋を開店したい!」という事業計画を提出しても、事業再構築補助金が採択される可能性は低いと予想できます。

ビジネス用語で「ピボット」という言葉があります。もともとは「回転軸」のことで、バスケットボールでも、片方の脚を動かさずに軸として、もう片方の脚を駆使することで、相手がボールを取りに来る動きをかわすプレイがあります。

つまり、今までの事業で培ってきた「強み」を主軸としながらも、新しい領域へ進出していこうとする事業計画であれば、事業再構築補助金の申請で評価されやすいと考えられます。

地域密着型の衣料品店の例でいえば、衣料品を仕入れて販売してきた強みを軸に、ECサイトを立ち上げて全国あるいは世界に顧客を広げていくのもいいでしょう。

あるいは、衣料品店として地域で蓄積してきた顧客リストを生かして、ファッションに興味はあるけれどもセンスに自信がない方々に向けて、コーディネート提案などのコンサルティングを行うのも、強みを生かした事業計画として評価される可能性があります。

付加価値額を年3%伸ばす

ものづくり補助金では、付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費と定義されていて、事業再構築補助金でも、その定義に準拠するものと考えられます。

営業利益はシンプルに、売上を増やして経費を下げれば、引き上げることができます。ただし、事業再構築補助金の補助対象となる経費は下げにくいので、その点でほかの費目との間で調整しなければなりません。

人件費をすぐに上げるのは難しいかもしれませんが、営業利益が上がっていれば、昇給など従業員の待遇改善にすぐ繋げようとする姿勢でいるほうが、付加価値額が増加し、目標達成しやすいです。

減価償却費は、できるだけ高額で、できるだけ償却期間が少ない経費ですと、1年当たりの償却費を増やすことができるため、付加価値額の増加で有利となります。

事業再構築補助金の加点予想項目

事業再構築補助金で、採択に有利となり得る加点事由は、次のような事項だと考えられます。

・緊急事態宣言によって、売上の面で悪影響を受けたとの客観的証明ができる事業者
従業員の賃上げを進めた経営者・事業者
・いったん「緊急事態宣言特別枠」で申請したけれども不採択となった事業者が、通常枠で再び申請しようとする場合。
事業再構築補助金の活用事例について知りたい方はこちら

まとめ

事業再構築補助金は、2021年2月の時点でまだ未知の部分も少なくありません。しかし、すでに公開されている情報と、ほかの補助金申請で採用されている事項などを照らし合わせて、ある程度は推測できます。

どの補助金でも第1回の公募では、申請すれば採択される率が高い傾向にあります。ここをチャンスとみて申請する事業者は、新型コロナウイルスの災禍が終息した後の時代に、補助金の力を借りて、また再び業績が伸びていくでしょう。自社の事業を見直すキッカケになるのでチャレンジしてはいかがでしょうか。

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