ものづくり補助金 について2021年徹底解説!

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高性能で壊れにくく修理しやすい日本の乗用車が、世界的に支持を集めています。夢の超特急といわれて半世紀以上が経ち、そのテクノロジーが成熟している新幹線も、海外への技術輸出が着々と進んでいます。
海外製の人気電化製品にも、日本製の部品が多数使われていることで知られています。
このように、日本の近代から現代は「ものづくり」によって、支えられ、発展してきました。
これからも、「ものづくり」は、日本が持つ強みのひとつとして輝きを増し続けるに違いありません。

そこで、ものづくりを進めていくため、新規設備導入やシステム構築に先行投資する企業を支援する補助金制度、通称「ものづくり補助金」が用意されています。

最大で数千万円~1億円の補助を受けられるチャンスについて、この記事で、詳しく解説していきます。

※この記事での情報は、2021年2月中旬現在の情報を元に作成しています。常に、経済産業省や中小企業庁等が発信している最新情報と照らし合わせながら、内容をご確認ください。

ものづくり補助金制度の目的

ものづくり補助金は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス補助金」といいます。
2013年から始まり、当時は「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」という呼び名でしたが、名称が転々と変更され、現在は「ものづくり・商業・サービス補助金」で落ち着いています。

かつての補助金は、工場や研究機関を持つ大企業の試作品や、大学における研究開発を中心に大規模に受給されていました。

しかし、現在のものづくり補助金の目的は、製造業や大学機関の試作品の開発支援のみにとどまりません。
なぜなら、ものづくり補助金が、日本の企業体の99%以上を占める中小企業を広く対象にすることによって、景気刺激策にも繋がると捉えられるようになったからです。

新しいコンセプトのサービス開発、業務専用で使う新規システムの導入、生産性向上で役に立つ仕組みの新規導入などに取り組むのであれば、小売業、卸売業、サービス業も含む、すべての業種で、ものづくり補助金の対象となります。

さらに、個人事業主や、まだ創業から間もないベンチャー企業も、ものづくり補助金の対象です。

認定支援機関からのサポートを受けながら、事業計画書を作成した上で申請し、採択されれば、補助対象期間を経過後に、補助金を受け取ることができます。申請の難易度としては事業再構築補助金も同様に認定支援機関と連携して進められる補助金となります。

ものづくり補助金は、補助金額や補助率、対象などの「公募要領」が、年度ごとに変更になることがあります。
よって、過去にものづくり補助金を申請した経験がある会社、実際に受け取ったことがある会社でも、改めて公募要領を確認し、いくつかある型のうちで、自社にとって適切なものを選んで申請する必要があります。

ものづくり補助金の おもな内容

現在のものづくり補助金では、個々の企業や個人事業主が単独で申請する「ものづくり・商業・サービス生産性促進事業」が4タイプ、さらに複数の企業が連携して申請する「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業」で2タイプ、合計6タイプの型に分かれています。

ちなみに、以下の説明で、
大企業とは、業種ごとに次の条件を満たす会社です。
製造業その他…… 資本金の額または出資総額が3億円を超えているか、常時使用する従業員の数が300人を超えている会社
卸売業…… 資本金の額または出資総額が1億円を超えているか、常時使用する従業員の数が100人を超えている会社
小売業…… 資本金の額または出資総額が5000万円を超えているか、常時使用する従業員の数が50人を超えている会社
サービス業…… 資本金の額または出資総額が5000万円を超えているか、常時使用する従業員の数が100人を超えている会社

この条件を満たしていない会社を中小企業といいます。
そのうち、次の条件を満たしている中小企業を小規模事業者といい、補助率の面でさらに手厚く保護されます。

製造業・農林水産業・宿泊業・娯楽業…… 従業員20人以下の会社や個人事業主
小売業・卸売業・サービス業(宿泊業や娯楽業以外)…… 従業員 5人以下の会社や個人事業主

そして、ものづくり補助金は、1社で申請する「単独申請型」と、複数の会社で申請する「複数連携申請型」とがあります。

【単独申請型】ものづくり・商業・サービス生産性促進事業

一般型

一般型は、さらに「通常枠」と「低感染リスク型ビジネス枠」の2つに分かれています。

通常枠

最もスタンダードなものづくり補助金です。新製品、あるいは新しい自社サービス開発、さらには生産プロセスを改善して生産性を向上・効率化させるための革新的な取り組みに必要となる設備投資、あるいは試作品の開発を支援するための補助金です。
大企業は申請できないものとされています。

ものづくり補助金の一般型・通常枠で求められる「革新性」は、その業界の中、あるいは店舗で顧客ターゲットとしている地域(商圏)において、あまり一般的に見られないものを指します。ですから、他の業界や他の地域で一般的になっている技術を、自社に導入することでも「革新的」と認められて、ものづくり補助金の申請が採択される可能性があります。

補助金の上限は1000万円
補助率は中小企業で2分の1、小規模事業者で3分の2です。
たとえば中小企業の場合、試作品の開発のために2000万円を経費として使った場合、そのうち2分の1である1000万円まで補助されることになります。

補助の対象となる必要経費のおもな費目は、機械装置・システム構築費、運搬費、技術導入費、知的財産権等の関連経費、外注費・専門家経費・クラウドサービス利用費・原材料費です。
たとえ事業のために使ったとしても、直接雇用している従業員の人件費や、土地建物など不動産の取得・維持費用は、ものづくり補助金による補助の対象となりません。

低感染リスク型ビジネス枠

2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、緊急事態宣言や外出自粛要請(ステイホーム)が発令されることによって、経済活動が停滞しがちになり、店舗ビジネスを中心に営業時間短縮や廃業に追い込まれる例も増えています。

コロナウイルスの流行終息後の「アフターコロナ時代」まで見据えた、大きな時代の変化に対応するビジネスモデルへ変換するための企業の積極的な投資活動を、補助金で支援します。
ただし、大企業は補助の対象外となります。

補助金の上限は1000万円
補助率は中小企業・小規模事業者でいずれも3分の2で、通常枠よりも優遇されています。
たとえば中小企業の場合、感染症リスクを低減させる施策のために1500万円を経費として使った場合、そのうち3分の2である1000万円まで補助されることになります。

この低感染リスク型ビジネス枠では、特別に広告宣伝費や販売促進費(PR費用)も補助の対象となる点が大きな特徴です。

グローバル展開型

設備投資・システム構築などへの投資のうち、海外展開を目指している事業、あるいは海外を拠点とする活動の拡大、強化等を目的としている場合は、特別に補助上限額が引き上げられる枠です。
こちらも大企業は対象になりません。

【グローバル展開型の4パターン】
・すでに海外拠点(支店や子会社)を持っている企業に対して投資をする「海外直接投資パターン」
・海外顧客向け製品を開発する国内の拠点に投資する「海外市場開拓パターン」
・訪日外国人客をターゲットにした商品やサービスの開発に投資する「インバウンド市場開拓パターン」
・他の外国法人との共同研究・共同企業開発のために設備投資する「海外共同事業パターン」

補助金の上限は3000万円
補助率は中小企業で2分の1、小規模事業者で3分の2です。
たとえば中小企業の場合、グローバル展開を目指す設備投資のために6000万円を経費として使った場合、そのうち2分の1である3000万円まで補助されることになります。

このグローバル展開型では、特別に海外旅費(交通滞在費)まで補助の対象に含まれる点が大きな特徴です。

ビジネスモデル構築型

このビジネスモデル構築型は、中小企業30社以上に対して、革新性・拡張性・持続性を共に備えているビジネスモデルの構築、あるいは事業計画の策定を目的とした支援プログラムの開発・提供を行うための補助金として位置づけられています。
ものづくり補助金で唯一、大企業からの申請も受け付けているです。

補助金の上限は1億円と、ものづくり補助金の中で最高額のサポートを受けられるコースとなっています。
補助率は大企業で2分の1、中小企業・小規模事業者で3分の2です。
たとえば中小企業の場合、革新性などを備えたビジネスモデルの構築のために1億5000万円を経費として使った場合、そのうち3分の2である1億円まで最大で補助される可能性があります。

ビジネスモデル構築型の具体例として「面的デジタル化支援」「デザインキャンプ」「ロボット導入FS」が挙げられます。

面的デジタル化支援

これまでの補助金は、それぞれの中小企業・小規模事業者が個々に行うデジタル化の取り組みに対して、ひとつひとつ個別に支援を行う性質が強かったです。たとえば、IT導入補助金が代表的です。それを「点的」なデジタル化支援と呼びます。

ただ、この「面的デジタル支援」では、とある企業が、ITのハード・ソフト・アプリなどを開発・販売するITベンダーや、銀行などの金融機関、商工会議所などの商工支援機関を丸ごと巻き込んで、有機的に繋がりながら活動していく事業計画・ビジネスモデル・プロジェクトを支援することを前提にしています。

ひとつの企業に補助金を出すことで、間接的に多くの企業へ影響力を及ぼすことができるため、同じ金額での支援でも効果が拡張・増幅される可能性があります。

デザインキャンプ

デザインキャンプとは、異業種の企業・大学・行政機関がお互いにコラボレーションすることを目指して、代表者がひとつの場に集結して泊まり込みでデザインなどに関する話し合い、あるいはワークショップ(手を動かす作業や体験をともなう学び)を盛んに行うことによって、新たな社会的価値をともに創造していくための取り組みを指します。

デザインキャンプの中で、出てきた議論を、キャンプ終了後に参加者たちが各社に持ち帰って、今後それぞれの研究開発や試作、事業化への取り組みに生かしてもらうことを狙いとしています。

そのデザインキャンプを取りしきる企業(リードカンパニー)や、そのリードカンパニーの活動を支援する企業が、ものづくり補助金を申請することを想定しています。

ロボット導入FS

FSとは、実現可能性調査(feasibility study)の略です。
つまり、ロボットがまだほとんど活用されていない業種や商圏などにおいて、これからロボットを導入し、有効活用していくチャレンジに取り組む企業が、仮にロボットを導入したとして採算が取れるのか、先行投資を早期に回収できるのかどうかの事前調査をする場合、その費用の一部を補助することになります。

この場合の「ロボット」とは、機械として動くロボット、自動運転車、3Dプリンタなどの他、RPA(業務自動化)、AI(人工知能)などを広く含みます。よって、総務・人事・経理などのデスクワークの場にも、生産性向上のためのロボットが導入される余地があります。これをバックオフィスDXなどといいます。

DXとは、デジタルトランスフォーメーション(digital transformation)の略称で、「デジタル変革」と訳されることが多いです。

簡単にいえば、ソフトウェアやデジタルツール、クラウドサービスなどの最新IT技術を、自社の業務効率化・人件費の削減・従業員の省力化による労働満足度の向上などをめざす手段として採用することです。

特に、経理・人事・労務・総務・法務といったバックオフィス業務は、業種を超えて業務内容が重なり合う部分も多いです。そこで、複数の企業でいっせいに同じDXを採用することにより、効率化や相乗効果がさらに高まると考えられます。

【複数連携申請型】ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業

「高度連携促進事業」としてのものづくり補助金は、複数の企業が共同して申請することを想定しています。
かならず、複数の中小企業・小規模事業者が共同で申請しなければなりません。
経済産業省が提唱している日本版の第4次産業革命「コネクテッド・インダストリーズ(CI:Connected Industries……連携された産業群)」を全面的にバックアップするための

このCIとは、複数の機械・複数の人材・複数の企業間で、IoT(物のインターネット)・AI(人工知能)などの次世代最先端技術を活用しながら、多種多様なデータを複数企業間で共有し、日本経済の中に新たな付加価値を創り出すととも、国内産業の高度化を目指そうとする取り組みを指します。

ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業の申請には、同じプロジェクトの元に複数の企業をまとめ上げる力が求められます。単独申請型の「ものづくり・商業・サービス生産性促進事業」よりも難度が高いため、採択されるためには事前の周到な準備が必要だと考えられます。

内訳を見ると「企業間連携型」「サプライチェーン効率化型」という2つの型があります。どちらも、大企業や単独企業からの申請は受け付けられていません。

企業間連携型

複数の中⼩企業等が連携しながら、革新的なサービスの開発・試作品の制作・生産プロセス改善に必要な設備投資などに必要な、高度で同一のプロジェクトを進めていくために必要な経費について、補助を行います。連携できる社数の上限は、最大5社(5者)までです。
最大2年間にわたって支援していくのが特徴です。

補助金額の上限は、1者(1社)あたり2000万円までです(1申請あたりで上限1億円まで)。
補助率は、中小企業で2分の1、小規模事業者で3分の2とされています。

サプライチェーン効率化型

幹事企業(連携された企業群のリーダーとなる企業)が主導しているサプライチェーン全体を総合的に効率化、合理化させる取り組みにかかる経費について補助することを狙いとしています。連携できる社数の上限は、最大10社(10者)までです。

サプライチェーン(供給連鎖)とは、物流用語で、消費者に対して商品を供給するために複数の企業を結びつけて作られる一連の流れをいいます。

たとえば、商品の生産者が原材料を調達し、別の企業で加工し、さらに違う企業で部品を作成し、さらに複数の部品を総合的に組み立てて完成品を作るような流れが、サプライチェーンの一例です。

サプライチェーン効率化型で、補助金額の上限は、1者(1社)あたり1000万円までです(1申請あたりで最大1億円まで)。
補助率は、中小企業で2分の1、小規模事業者で3分の2とされています。

ものづくり補助金の対象となるための、企業の実質的な条件

ものづくり補助金は、すでに述べた形式的な条件に加えて、事業計画書の中で、次の3つの目標を将来的にクリアすると述べて盛り込んでいることが実質的な最低条件となります。

その条件とは「付加価値額アップ」「給与支給総額アップ」「地域内最低賃金に上乗せする待遇」の3つです。

申請する企業の付加価値額は、年率平均3%以上にすることを、事業計画書に盛り込みます。
付加価値額は一般に、営業利益+人件費+減価償却費して算出します。これら3項目の増加予想値を根拠立てて、平均で3%以上になるよう説明することが重要となります。

給与支給総額は、年率平均1.5%以上にすることを、事業計画書に盛り込みます。
人件費のうちの給与相当額を全従業員で足し合わせて、将来にわたって年ごとに1.5%以上になっていく予想を客観的に根拠立てなければなりません。

最低賃金は、都道府県ごとに定められている水準に30円以上上乗せしていなければなりません。2021年2月現在で、たとえば東京都の最低賃金は時給1,013円ですので、すべての従業員を最低でも時給1,043円以上の待遇にしていなければ、ものづくり補助金に申請することはできません。

ものづくり補助金の公募時期

ものづくり補助金は、ほぼ一年中にわたって申請できる体制が整えられています。申請締め切りも、年に数回は設けられています。

【単独申請型】ものづくり・商業・サービス生産性促進事業

生産性促進事業としてのものづくり補助金(一般型・グローバル展開型)の公募は、第5次まで終わっています(2021年2月22日申請締切り)。
次回の第6次は、3月頃に公募が開始され、5月に申請が締め切られる見込みす。

同じく生産性促進事業としてのものづくり補助金(ビジネスモデル構築型)の公募は、2021年1月15日に始まっていて、3月19日が締切りとされています。

【複数連携申請型】ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業

高度連携促進事業としてのものづくり補助金は、2021年2月現在でまさに公募受付中であり3月8日に申請が締め切られます。

ものづくり補助金は、2021年中(令和3年度)は少なくとも継続する見込みですが、2022年以降の実施は不透明です。ものづくり補助金の実施には潤沢な財源が必要だからです。自民党総裁選や総選挙などをきっかけに政府首脳が替われば、政策の優先順位が変化し、ものづくり補助金の方針も変わる可能性があります。

ものづくり補助金に申請したとき、審査される項目

ものづくり補助金に申請したとき、まず真っ先に採択審査で重視されるのは、「申請内容が革新的といえるかどうか」だといわれています。
とはいえ、今までにない画期的な発明に匹敵するほどの斬新さは、ものづくり補助金で求められていません。その業界や商圏の中で、すでに一般に広まっているとはいえない新しさが感じられれば十分だとされています。

そのほか、審査で重視される項目は次の通りです。

・課題や目標が数値化されていたり、明確な表現が用いられているか。
・事業計画書の内容に、その企業独自の目新しさがあるか。
・その企業が備えている技術的水準が、客観的にみて高いといえるか。
・その企業が抱える課題の解決手段(価格や性能)が、他と比べて優位といえるか(費用対効果が合うか)。
・新たに立ち上げようとする事業は、世間の人々が商品やサービスを購入するほど求められているといえるか(マーケットニーズはあるか)。
・政府が出している方針・国策に合っているかどうか(働き方改革・自然災害からの防災・感染症の予防など)。

ものづくり補助金の申請方法

ものづくり補助金は、申請プロセスが完全に電子化されています。

まずはGビズIDプライムを取得します。Web上の申し込みフォームに必要事項を入力し、事業計画書などの添付書類をPDFで送信します。 https://gbiz-id.go.jp/top/
GビズIDプライムアカウントIDを申し込んでから、正式に発行が完了するまで2週間以上かかる場合がありますので、早めの申し込みがおすすめです。

そして、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の電子申請システムからログインし、必要事項を入力、申請のために要求される資料(決算書や賃金引上げ計画の表明書)や加点事由の証明資料(経営革新計画の承認通知書など)をデータ化させたうえで添付し、送信します。

ものづくり補助金で有利・不利となる事情

ものづくり補助金では、採択が認められるために有利となる事情である「加点事由」と、採択が認められにくい方向で作用する「減点事由」が明らかにされています。

ものづくり補助金の申請を受けて、採択すべきかどうか、その企業を審査するにあたっては、申請書類のできばえや信憑性、将来の実現可能性などを「点数」に替えて、比較や測定ができるようにしています。

それによって、審査する個人ごとの主観や思い込み、偏見などが入り込みにくいような構造になっているのです。

その点数を上げる方法や、下がってしまう方法が公開されていますので、申請の際には積極的に活用してみてください。

有利になる事情

ものづくり補助金の申請で、加点事由になるのは次の通りです。

成長性の加点

・都道府県知事から「経営革新計画」の承認を受けている

⇒ こうした認定書のコピーを申請書類に添付して、証拠とします。

政策面での加点

・小規模事業者による申請は、それだけで加点になると言われています。

・創業・第二創業から5年以内の新規起業者・ベンチャー企業経営者

災害面での加点

・政府が「激甚災害」に指定した2020年5月15日~7月31日の豪雨などによる被災を受けた企業・事業者
※5月(九州地方を中心とした豪雨災害)、7月(九州から東北地方にかけての大雨特別警報をともなう反復的な豪雨災害、25日の埼玉地方の竜巻)

・新型コロナウイルス感染対応で、特別枠(一般型の低感染リスク型ビジネス枠)で申請したものの、不採択となってしまい、その後、一般型・通常枠での再申請にチャレンジしている場合

・経済産業大臣から「事業継続力強化計画」または「連携事業継続力強化計画認定書」の認定を受けている(中小企業が作成した「防災」「減災」の事前対策計画のこと)

従業員の賃上げに関する加点

ものづくり補助金を申請するにあたって、最低限求められる賃上げ水準を、さらに上回る賃上げに踏み切った企業は、加点で優遇されます。

・事業計画期間の給与支給総額の年率平均2%以上の増加、事業場内最低賃金の地域別最低賃金+60円以上の水準を満たしている

・事業計画期間の給与支給総額の年率平均3%以上の増加、事業場内最低賃金の地域別最低賃金+90円以上の水準を満たしている

・被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が、制度改革に先立って、任意適用に取り組んでいる(パートやアルバイトにも厚生年金や健康保険加入を推進している場合など)

不利となる事情

申請時点で、過去3年間に、ものづくり補助金の交付決定(採択)を受けたことがあると、交付決定の回数に応じて減点の対象になります。
【過去3年間のものづくり補助金の正式名称】
・平成29年度(補正)ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業
・平成30年度(補正)ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業
・令和元年度ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業

せっかく加点事由を積み上げても、減点事由で台無しになってしまうおそれがあります。
不採択からの再チャレンジは大いに結構ですが、毎年のように不採択になっていると、かえって不利になっていくしくみになっていますので、ご注意ください。

ものづくり補助金を申請する上での注意点

ものづくり補助金は、採択されれば非常にまとまった額が補助されるため、中小企業や小規模事業者の経営にとっては大きな追い風となります。
しかし、いくつか注意しておかなければならない点もありますので、あらかじめ留意した上で申請してください。

補助金は後払いとなるので、資金繰りに注意

たとえば、補助上限1000万円、補助率2分の1のものづくり補助金を申請しようとする場合、まず2000万円を経費として確かに使ったという領収書を用意できない限り、1000万円の補助金は下りません。

そのため、赤字続きで金融機関からの融資も断られてしまうような、倒産の危機的状況に置かれている企業が、ものづくり補助金をもらって起死回生を図るようなことは想定されていませんし、実際に無謀な申請となります。

しかも、ものづくり補助金の申請にあたっては、従業員の賃上げが条件となりますので、人件費がかさみ、その点でも補助対象期間中に資金繰りに窮するおそれがあります。

かならず、将来受け取ろうとする補助金を超える余裕資金(現金)を、社内で確保しておくようにしましょう。できれば採択後を予定して金融機関と連携して融資も並行してすすめていただければ安心です。

事務処理に膨大な手間がかかるおそれ

ものづくり補助金の申請や、補助対象期間が経過した後の報告などでは、詳細かつ大量の書類(文章や図表など)が求められます。しかも、締め切り厳守が求められます。
補助金の手続きに慣れないうちは、その作成だけで、本業がおろそかになってしまうほど多忙を極めるおそれがあります。

また、補助金を受け取ったら、すべてが終わるわけではありません。その後も、5年間にわたって事業経過の報告義務がありますし、もし補助金事業によってあまりにも収益が出た場合には、補助金の返納義務も課されます。

まとめ

ものづくり補助金は、約8年の歴史を経て、中小企業経営者の意見を吸い上げたり、時代の変化を敏感に察知しながら、徐々に進化しています。

令和3年度では、6つの申請型に細分化されていますので、御社の実情に合った補助金のタイプを見極めて申請してみてください。申請型ごとに、補助額の上限や補助率だけでなく、申請締切りも異なりますのでご注意ください。

最大1億円の補助を受けられますが、いきなり狙いを付けるのは難しいかもしれません。最初は「一般型・通常枠」から申請を始めてみるのがおすすめです。

とはいえ、ウィズコロナ・アフターコロナ時代に企業が抱えがちな問題を解決しようとする「低感染リスク型ビジネス枠」も狙い目です。

近ごろでは、売り上げが不振なときでも補助金を駆使して、経営を安定させている経営者も増えています。しっかりと資金繰りには気をつけながらご準備いただき、大胆かつ魅力的な事業計画書を制作して、私達と一緒に御社の未来をものづくり補助金で切り拓いてみませんか。

補助金の窓口では、みなさんからのご相談をお待ちしております。

ものづくり補助金サポート画像