IT導入補助金について2021年徹底解説!

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IT導入補助金について活用方法をご紹介していきたいと思います。昨今パソコンが家電のように、スマートフォンが財布のように、そしてインターネットが水道や電気などの生活インフラに匹敵するぐらい、現代では私たちの日常生活の中でITツールが当たり前に浸透しています。

企業が公式のホームページやECサイト(オンライン通信販売サイト)、FacebookページやTwitterなどのSNS公式アカウントを持つことも、ごく一般的なことになっています。

このような情報発信だけでなく、顧客の情報を預かったり、従業員の日常業務を省力化・効率化させたりする目的でも、IT導入補助金を活用してクラウド対応のITツールを導入する動きが進んでいます。

ITツールを自社の活動の中で新たに採用しようとする企業に対し、経済的に手厚くサポートする制度ですが、企業は元々セキュリティの問題などでクラウド化に慎重といわれていましたが、コロナ感染リスクとIT導入補助金の施行で世の中に一機に広がりました。

IT導入補助金は2017年に始まったばかりの、まだ新しい補助金制度です。当初は最高補助額50万円にとどまっていましたが、現在では補助額の上限が450万円にものぼります。

ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金などに次ぐ大型の補助金として、全国各地の中小企業や小規模事業者、個人事業主から注目を集めています。

ただ、ITツールを提供する企業と、それを事業で採用する企業とで、共同申請しなければならないなど、IT導入補助金ならではの独自の特徴もあります。

この記事では、2021年2月現在で発表済みの公式リリースなどをもとにして、IT導入補助金の基本情報についてまとめています。

IT導入補助金の目的・特徴

IT導入補助金は略称・通称です。正式名称を「サービス等生産性向上IT導入支援事業」と呼びます。
正式名称に「補助金」の文字はありませんが、このフレーズを見かけたときは、IT導入補助金のことを指しているものと、ご認識をお願いします。

国(経済産業省など)の推進する「中小企業生産性革命推進事業」で、IT導入補助金は、ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金・事業再構築補助金と並ぶ重要な補助金として位置づけられていることも特徴です。

中⼩企業⽣産性⾰命推進事業の特別枠の改編で、予算として令和2年度第3次補正予算案額 2,300億円が確保されており、ものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金にそれぞれ割り振られます。

「中小企業生産性革命」とは?

日本企業は国際比較で「労働生産性が低い」といわれています。これは日本国内に中小企業や小規模事業者が多すぎることが原因だとする説もあります。

日本国内の企業のうち、99%以上が「中小」です。「小さくてもキラリと輝くアイデア溢れる中小企業に、日本経済は支えられています」「まさに日本の宝です」といわれたりする場面もありますが、従業員の少ない中小企業は、労働生産性という面では不利なのです。

なぜなら、従業員が少なく、資本規模も小さい中小企業では、大量仕入れ・大量生産でコストを下げる「スケールメリット(規模の経済)」や、従業員個々の得意分野に集中できる「分業による効率化」が作用しにくいからです。よって、中小企業の割合が高い日本経済全体で、労働生産性が上がりにくい構造になっているのです。

従業員が多い大企業ですと、現場の声が上層部に届きにくいなどの弱点はありますが、労働生産性は明らかに高まります。

そこで、中小企業の労働生産性の低さに対する打開策のひとつとして、日本政府は「生産性革命」を打ち出し、「最新技術を盛り込んだITツール」の可能性に賭けているのです。したがって、このような最新ITツールをビジネスに採用する企業を、IT導入補助金でサポートしています。

IT導入補助金は、企業の生産性を引き上げるための業務プロセス改善の役に立つ、新しいITツールを自社ビジネスに採用するときに使える補助金です。

特に、顧客や取引先、従業員同士で対面せずに済むように業務プロセスをオンラインで完結させるITツールの導入を「低感染リスク型ビジネス枠」として、手厚く補助します。

IT導入補助金を申請する資格がある企業

IT導入補助金を申請できるのは、中小企業~小規模事業者、個人事業主です。たとえ、労働生産性の向上に役に立つITツールを導入したとしても、大企業は除外されていますのでご注意ください。

どのような業種でも申請できますが、業種によって中小企業・小規模事業者となる基準が異なりますので、従業員数や資本金額の規模によっては、IT導入補助金を申請できない場合があります。

IT導入補助金を申請できる「中小企業」とは?

中小企業とは、業種ごとに次の条件を満たす会社を指しています。
・製造業その他…… 資本金の額または出資総額が3億円以下か、常時使用する従業員の数が300人以下の会社
・卸売業…… 資本金の額または出資総額が1億円以下か、常時使用する従業員の数が100人以下の会社
・小売業…… 資本金の額または出資総額が5000万円以下か、常時使用する従業員の数が50人以下の会社
・サービス業…… 資本金の額または出資総額が5000万円以下か、常時使用する従業員の数が100人以下の会社

IT導入補助金を申請できる「小規模事業者」とは?

製造業・農林水産業・宿泊業・娯楽業…… 従業員20人以下の会社や個人事業主
小売業・卸売業・サービス業(宿泊業や娯楽業以外)…… 従業員 5人以下の会社や個人事業主

IT導入補助金を申請するため、他に必要な条件

・日本で登記、あるいは開業届が出され、国内で事業を行っている法人や個人事業主であること
・最低賃金法を遵守して、従業員を雇用していること(事業場内の最低賃金が、地域別の最低賃金以上であること)
・SECURITY ACTION(セキュリティ対策自己宣言)に同意していること
・携帯電話を所持していること

IT導入補助金で補助対象となるもの

この項目は、IT導入補助金において独自の特徴的な内容も含まれていますから、他の補助金を申請したことがある方も、よく確認していただきたいです。

「ITベンダー」の支援を受けなければ申請できない

IT導入補助金を申請する場合に、導入するITツールは、労働生産性を向上させればどんなものでもいいわけではありません。

まずは、そのITツールが、経済産業省に採択されたシステム開発会社・Web制作会社が提供しているものかどうかを確認してください。
つまり、IT導入補助金の対象となるITツールと、対象外のITツールがあらかじめ決められているのです。

このようなシステム開発会社・Web制作会社をIT導入支援事業者(ITベンダー)といいます。

ITベンダーが提供している(IT導入補助金による補助の対象となる)ITツールかどうかは、一般社団法人サービスデザイン推進協議会が提供する、 IT導入支援事業者・ITツール検索で調べることができます。

そして、IT導入補助金は、ITツールを導入した企業のみの判断で申請するのでなく、必ずITベンダーのサポートを受けた上で申請しなければなりません。

こうした条件は、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金などにはない、IT導入補助金ならではの特徴であり、間違えやすいので気をつけてください。

裏を返せば、自社の中で補助金申請の手続きに詳しい従業員がいなくても、ITベンダーに申請を一任することもできるわけですから、その点では安心できます。

このITベンダーも、経済産業省からの採択を受けるために審査を受けています。採択済みのITツールであっても、その性能や使いやすさなどに応じて事前に「ランク付け」されているといわれており、IT補助金を申請したときに採択されやすいITツールと採択されにくいITツールに分かれています。

非公開のランクを外部から知ることはできませんが、もし可能であれば、そのITツールで過去に補助金が採択された割合や実績などをITベンダーに尋ねたり、他社の口コミを調べたりして、他社のツールと比較検討してみるのも有効です。

IT導入補助金で、補助の対象になるITツールの種類は次の通りです。

・業務プロセス改善用のソフトウェア購入費
・業務プロセス改善用のクラウドサービス利用料(月々定額のサブスクリプションサービスであること)
・動的ホームページ(ECサイト、予約システム、会員限定オンラインサロンなど)
・自動化ツール
・分析ツール
・汎用ツール(テレワーク環境の整備に資するツール含む)
・機能の拡張
・データ連携ツール
・セキュリティソフト

今までは、顧客の需要分析などを「ベテラン従業員の勘」などの主観的・属人的な要素に頼ってきた中小企業が少なくありませんでした。しかし、そのようなベテラン従業員が定年などで退職してしまうと、その「勘」を引き継ぐ後継者が育っていない限り、その企業にとって重要なノウハウが白紙に戻ってしまいます。

そのようなことが起きないよう、数字を元に統計的・客観的な分析を高速で完了させるITツールの導入が、中小企業の労働生産性向上のため、急務になっているのです。

そのほか、ソフトウェアを新規導入するのにともなう各種サービスにかかる費用も、IT導入補助金の補助対象となります。

・ソフトウェア導入に関する専門家のコンサルティング(専門家経費)
・ソフトウェア新規導入設定
・マニュアル作成
・従業員向けのソフトウェア導入研修
・保守サポート(修繕費・メンテナンス費用)
・ハードウェア端末のレンタル費用(※低感染リスク型ビジネス枠のみ)

IT導入補助金の対象外となるもの

IT関連の商品やサービスのように見えて、IT導入補助金を受けられない場合もあります。主なものとして、次が挙げられます。

・ハードウェア端末の購入費用
・ホームページ制作・外注費用(HTMLのみで書かれたシンプルなホームページが補助の対象外です)
・組み込み系ソフトウェア(家電に組み込まれた「マイコン」など、汎用性がなく、その機械を動かす目的のみで作動するソフト)
・スクラッチ開発したソフトウェア(すでに出来上がったシステムの雛形を使わず、ゼロからプログラミングをして独自に創り上げたソフト)
・従量課金の料金体系を採用しているWebサービス(実際に使えば使うほど、料金が加算されていくもの。非サブスクリプション)
・広告宣伝費
・有料会員登録した利用者に限定した情報提供サービスの料金

IT導入補助金のおもな内容

IT導入補助金では、4種類の申請型で分けられています。
「通常枠」と、2021年に新設された「低感染リスク型ビジネス枠」の2枠があり、それぞれ2種類の型に分かれていますので、その「2×2」の構造について、基本的なところをお伝えします。

通常枠

通常枠は、ITツールの導入によって社内の業務プロセスを改善・効率化させ、労働生産性を向上させようとする取り組みに対する標準的な補助金申請枠です。

この通常枠には「A類型」「B類型」があります。

A類型(補助上限150万円)

次の6つの業務プロセスのうち、必ず1つ以上の改善を担うITツール(ソフトウェア)を導入していなければなりません。
・顧客対応・販売支援
・決済・債権債務・資金回収管理
・調達・供給・在庫・物流
・業種固有プロセス
・会計・財務・資産・経営
・総務・人事・給与・労務・教育訓練・テレワーク基盤

補助額は30万円~ 上限は150万円です。
補助率は2分の1とされています。
つまり、ITツール導入のために最大で300万円の経費を使ったとき、150万円まで補助される可能性があります。

ただし、補助額の下限が30万円ですから、少なくとも60万円かそれ以上のITツールを導入しなければ、IT導入補助金を受けられない点には注意が必要です。
安価なITツールは補助の対象から外れてしまいますの。社員が経営者1人しかいない法人や個人事業主は、その点でIT導入補助金を申請しにくい状況にあります。

それでも、IT導入補助金が始まった当初(2018年頃)には、補助金下限が40万円と設定されていました。現在では小規模事業者にとって有利なように条件が緩和されたといえます。

B類型(補助上限450万円)

次の6つの業務プロセスのうち、必ず4つ以上の改善を担うITツール(ソフトウェア)を導入していなければなりません。
・顧客対応・販売支援
・決済・債権債務・資金回収管理
・調達・供給・在庫・物流
・業種固有プロセス
・会計・財務・資産・経営
・総務・人事・給与・労務・教育訓練・テレワーク基盤

また、従業員の給与支払総額を、年率平均1.5%上昇させる賃上げ条件をクリアすることを、申請の時点で計画しておかなければなりません。給与面で従業員の待遇を改善させることも、労働生産性を引き上げる一環だとみなされているからです。

もし、補助金を受け取った後、年率1.5%の賃上げ目標を達成できなかった場合、補助金の返還を求められてしまいますので、注意してください。
(※なお、A類型の申請で賃上げは必須ではありませんが、採択で有利に作用する「加点事由」になりえます)

B類型は条件が厳しいですが、この条件をクリアすると、補助額の面でA類型よりも優遇されます。

補助額は150万円~ 上限は450万円です。
補助率はA類型と同じく2分の1です。
つまり、最大で900万円の経費を使ったとき、450万円まで補助される可能性があります。

低感染リスク型ビジネス枠

かつてC類型として位置づけられていた新型コロナウイルス対策特別枠が、将来の「アフターコロナ時代」を見据えて、2021年からこの枠でまとめられました。通常枠よりも補助率などの面で優遇されている点は、従来と変わりません。

また、通常枠ではパソコンやタブレットなどハードウェア端末のレンタル費用について、補助が認められませんが、低感染リスク型ビジネス枠では認められるという点も優遇策のひとつです(なお、端末の購入費は、低感染リスク型ビジネス枠でも補助が認められませんので、ご注意ください)。

この低感染リスク型ビジネス枠が、「C類型」「D類型」の2種類に分けられています。

C類型とD類型、どちらも、次の6つの業務プロセスのうち、必ず1つ以上の改善を担うITツール(ソフトウェア)を導入していなければなりません。
・顧客対応・販売支援
・決済・債権債務・資金回収管理
・調達・供給・在庫・物流
・業種固有プロセス
・会計・財務・資産・経営
・総務・人事・給与・労務・教育訓練・テレワーク基盤

C類型(低感染リスク型ビジネス類型:補助上限450万円)

C類型では、いくつもの業務プロセスで、人と人が対面せずオンラインで繋がれるITツールの導入を支援します。きっかけは、新型コロナウイルス感染症の予防であったとしても、将来、コロナウイルスが終息した「ポストコロナ時代」には、非対面でのコミュニケーションや情報交換を行えるITツールが、労働生産性を向上させる有効な手段となります。

補助額は150万円~ 上限は450万円です。
補助率は3分の2です。
つまり、最大で675万円の経費を使ったとき、450万円まで補助される可能性があります。

D類型(テレワーク対応類型:補助上限150万円)

D類型では、従業員が出社せずに自宅などオフィス以外の場所を拠点として仕事を行う「テレワーク(在宅勤務)」を実現させるITツールの導入を支援します。

たとえ最初のきっかけは、新型コロナウイルス感染症の予防であったとしても、将来、コロナウイルスが終息した「ポストコロナ時代」には、テレワーク環境を整備するITツールが、一部の従業員の通勤を不要にし、自宅で育児や介護などと両立する人々も現役の人材として活用できるため、労働生産性を向上させる有効な手段となりえます。

補助額は30万円~ 上限は150万円です。
補助率はC類型と同じく3分の2とされています。
つまり、ITツール導入のために最大で225万円の経費を使ったとき、150万円まで補助される可能性があります。

ただし、補助額の下限が30万円ですから、少なくとも45万円かそれ以上のテレワーク対応ITツールを導入しなければ、IT導入補助金を受けられない点には注意が必要です。安価なITツールは補助の対象から外れてしまいます。

他の補助金との比較・役割分担

他の補助金事業と比較することによって、IT導入補助金の立ち位置を浮き彫りにすることができます。

持続化補助金との役割分担

HTMLのみ(特にHTML4以前)のシンプルなホームページの制作費用が、IT導入補助金の対象外であることは前述しました。
HTMLのみで組まれた静的ホームページ(閲覧者全員にまったく同じ情報を表示するホームページ)の基本技術は、インターネットの黎明期から存在しており、現代では生産性向上に役立つITツールと呼べないほど陳腐化してしまったからです。

ただし、小規模事業者持続化補助金を用いれば、そうしたホームページの制作費用も補助の対象となります。

なお、同じくIT導入補助金の対象外である広告宣伝費も、小規模事業者持続化補助金なら補助の対象となります。

その一方で、ECサイトやオンライン予約システム、オンラインサロン、ログイン機能がある会員限定コンテンツなど、閲覧者のリクエストによって反応が変わったり、情報を追加できたりする動的ホームページの制作では、IT導入補助金が採択される余地があります。動的ホームページは、システムが自動的に表示情報を更新したり、閲覧者と自動で情報をやりとりしたりするため、従業員の省力化につながる可能性があるためです。

ものづくり補助金との役割分担

たとえば、総務・人事・経理・法務・労務といった、オフィス内デスクワークの労働生産性を向上させるため、主に定型業務を自動化させるシステム(RPA:Robotic Process Automation)や、大量のデータを自動的に解析する人工知能(AI: Artificial Intelligence)などを組み込んだITツールを導入して、「バックオフィスDX」を実現できます。
DXとは「デジタル変革(digital transformation)」の略です。

このバックオフィスDXは、中小企業や小規模事業者が自社内のみで導入する場合は、IT導入補助金の対象となります。

一方で、ものづくり補助金の「ビジネスモデル構築型」でも、バックオフィスDXへの補助を行っています。この場合は、経理・総務・法務などどのような企業でも重なり合うことが多いバックオフィス業務で、複数事業者の間で共通するITツールを導入する可能性を模索する場合の「実現可能性調査」の費用を補助します。

その点で、両者は役割分担されているのです。

IT導入補助金の申請時期

2021年2月現在で、次回のIT導入補助金が公募される時期は未定です。
ただし、過去に公募された実績から考えて、3月から5月ごろに次回の公募が開始される見込みが濃厚といわれています。

その場合、申請の受付が9月頃まで行われ、補助対象期間(事業実施期間)が、2022年3月頃まで設定されるものと考えられます。その間に導入したITツール費用の一部が、補助金として振り込まれます。

IT導入補助金の活用イメージ

ここでは、IT導入補助金を活用すると、その会社にとってどのような未来が待ち受けているか、より具体的に検討・紹介しています。

定型業務の自動化にITツールを導入

IT導入補助金のRPAを導入するメリットが大きいのは、経理や総務など、定型業務が多いバックオフィス領域です。
たとえば、受発注管理を営業部、在庫管理を総務部、売上管理を経理部、給与管理を人事部が受け持ち、それぞれがExcelなどの表計算ソフトで運用していると、それぞれの帳簿で数が合わなくなるおそれがあります。
その点、RPAで部署の垣根を越えて、これらの帳簿を一元的に管理できれば、ミスが大幅に少なくなり、従業員の省力化にも繋がります。そして、接客やアイデア出し、人間にしかできない業務に注力できるのです。

特に病院や介護施設であれば、患者や入居者等のお世話など、人間にしかできない重要な業務が大半を占めていますので、定型のバックオフィス業務はできるだけ自動化することに大きなメリットがあります。

予約受付にITツールを導入

ホテルや美容院、飲食店など、予約を受け付けることが多い業態では、予約情報処理に特化したCMS(コンテンツ管理システム)を導入できると、空き枠などの最新情報を簡単に更新できるので、顧客満足と労働生産性の向上に繋がります。

需要予測にITツールを導入

エンターテインメント施設など、日々の状況によって客の入りが大幅に変化する業態、あるいは原材料費や取引先の需要が日々大きく変わる業態では、過去の膨大なデータを分析して未来予測するAIシステムの導入が有効です。
かつては、ベテラン社員が「勘」で行ってきた予測も、数字やデータを基にすれば後進にもノウハウを引き継ぎやすいですし、予測の内容を客観的に事後検証しやすくなります。

また、多数の車両を駆使する物流・運送の業態でも、AIを活用することによって、効率的な車両を自動的に配置することができ、社内の人材や資源を有効活用できます。

たとえば、タクシー会社であれば、曜日や時間帯ごとに、街のどこでタクシー乗車の需要が高まりそうかを予測し、そのエリアに車両を優先的に流しておくことも有効でしょう。それまでは、駅前の乗り場付近で漫然と、客待ちの列に並んでいたタクシーを、効率的に配置することで、ドライバーひとり当たりの労働生産性を向上させることもできます。

IT導入補助金の採択に有利・不利となる事情

ほかの補助金制度と同じように、IT導入補助金にも、申請における必須項目のほか「あると有利な項目(加点事由)」や「あると不利な項目(減点事由)」があります。

以下、具体的に紹介します。

IT導入補助金の加点事由

・経済産業省から「地域未来牽引企業」として認定されている
「地域経済牽引事業計画」の承認を取得している
⇒「地域未来牽引企業」とは、それぞれの地域の特徴・特性を生かしながら、高い付加価値を社会に創出し、同じ地域の事業者にも波及効果を及ぼすことによって、地域経済をリードする立場として期待されている企業です。IT導入補助金は、経済産業省が運営元ですので、同省が展開している取り組みに積極的に参加し、その意義に貢献していると、補助金の採択率も上がりやすくなります。

事業内容で「生産性の向上」を目的として明記している
⇒ 申請するときには、「事業内容」として自社がやっていることをただ漫然と説明するのでなく、「生産性の向上」というキーワードに沿いながら、ITツールの活用プランを書いていくのが、採択率アップのコツといわれています。

・従業員の給与支払総額を年率「1.5%」上昇させる(賃上げ条件)
⇒ 個人事業主の場合も、自身に支払う給与を年率1.5%アップとすれば、加点事由になります。
⇒ ただし、既に述べましたとおり、通常枠・B類型での申請で、この賃上げ条件は加点でなく必須となりますので、ご注意ください。

・国が推進するクラウドサービスの導入に取り組んでいる。

・テレワーク(在宅勤務制度)の導入に取り組んでいる。

・事業計画期間(補助対象期間)において、事業場内の最低賃金を、その事業所がある都道府県の定める最低賃金ルールより、30円/時以上の水準と設定している。

IT導入補助金の加点事由

申請時点の過去3年間で、IT導入補助金を受け取ったことがある企業は、申請が通りにくくなるとされています。

IT導入補助金の注意点

IT導入補助金では、補助金を受け取った後でも、その企業にはしばらく「報告義務」が課されます。

つまり、IT導入補助金を使って導入することができたITツールによって、申請時点と比べて生産性がどれほど向上したのかを具体的に算出し、レポートとして毎年継続的に提出しなければならないのです。

申請時点から、標準で3年、最長で5年間の報告義務が課される場合がありますので、忘れないように注意してください。

また、補助金申請より先に購入済みのITツールの経費が、IT導入補助金で補助されることはありません。必ず、正式な採択を待ってからITツールを購入・契約・代金支払いするように手続きしてください。

たとえば、小規模事業者持続化補助金の「コロナ特別対応型」では、例外的に補助金申請よりも前に購入したものも、補助対象とすることができます。しかし、IT導入補助金ではその例外が適用されませんので注意してください。

まとめ

IT導入補助金は、すでに採択され、国が指定しているITツールの中から自社に導入するものを選ばなければならなかったり、ITベンダーの協力を得て申請しなければならなかったりと、ほかの補助金制度ではあまり見られない特徴があります。

しかし、慣れない補助金申請の手続きに、自社のみで苦しめられるよりも、申請に慣れているITベンダーの協力を得られるのは心強く、その点でIT導入補助金には大きなメリットがあります。

アフターコロナ時代を見据えた「低感染リスク型ビジネス枠」では、通常枠よりも有利な待遇が整備されていますので、まずは低感染リスク型ビジネス枠でチャレンジしてみて、採択されない場合に通常枠に切り替えるという方法も有効です。

クラウドシステムの導入をご検討の方や、自社のシステムを世の中に広めたいITベンダーの方など制度についてご不明な点がございましたら補助金の窓口までご相談ください。

IT導入補助金申請サポート画像