中小企業省力化投資補助金を受け取るまでの流れを解説!申請手順や交付手続きを紹介

少子高齢化に伴う労働人口の減少によって人手不足が課題となり、省力化への動きが加速しています。しかし、高額な導入コストが発生するため、省力化を実現できない中小企業も多く存在するのが現状です。

そうした人手不足に悩む中小企業などに対し、省力化製品の導入によって売上拡大や生産性向上を支援する制度が「中小企業省力化投資補助金」です

本記事では、中小企業省力化投資補助金を検討されている中小企業経営者や個人事業主に向けて、利用する際の流れを解説します。最新の補助金申請相談はこちら!

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中小企業省力化投資補助金の一連の流れ

「中小企業省力化投資補助金」は、人手不足の解消に効果がある製品を導入し、製品の販売事業者と共同で生産性向上、賃上げなどに取り組む補助金です。

経費の一部を補助することで省力化を促進し、中小企業の付加価値額や生産性の向上を図ることを目的としています。また、従業員の賃上げにもつながる施策として注目を集めています。

なお、補助金の上限金額やスケジュールに関して詳しく知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。

中小企業省力化投資補助金とは?補助上限額や補助率を解説

中小企業省力化投資補助金を申請する際の大まかな流れは下記の通りです。

【中小企業省力化投資補助金の流れ】

①公募要領を確認する

②申請書類を準備する

③gBizIDを取得する

④カタログから製品を選定する

⑤事業計画を策定する

⑥専用システムで申請する

⑦製品を導入し事業を実施する

⑧実績報告を提出する

⑨補助金額の支払いを受ける

⑩フォローアップを実施する

申請前には、公募要領を熟読したうえで、省力化製品と販売事業者をカタログから選び、販売事業者とともに共同で事業計画を策定します。その後、販売事業者から電子申請受付システムへの招待を受け取り次第、公募期間内にシステムを通じて交付申請を行います。

申請内容は事務局による審査によって確認され、採択事業者が決定します。

申請受付システムを通じてその通知を受けた日にち「交付決定日」から原則12か月以内が補助事業期間となり、事業者は事務局が定める「補助事業期間」の期間内で補助対象事業を実施します。

申請した事業計画に基づいて省力化製品の導入・業務プロセスの改善などを実施し、実績報告を提出、事務局が補助額の確定を行い、事業者が事務局に対して支払請求し補助金の支払いが行われます。

その後も、毎年度4月〜6月までの効果報告を行い、3回目の効果報告まで事業の進捗を事務局へ共有します(事業計画期間)。効果報告期間は5年で、期限までに効果報告の提出がない場合は交付決定が取り消されることもあるので注意しましょう。

また、補助事業で取得した資産は処分に制限が課されるので、補助事業の終了後や効果報告期間の終了後でも、法定耐用年数を経過するまでは勝手に処分はできません。補助事業の終了後も、省力化製品の適切な管理を行う必要があるという点にも留意が必要です。

中小企業省力化投資補助金を申請する際の流れ

ここからは、申請準備からシステムによる申請完了までの流れを詳しく紹介していきます。

①公募要領を確認する

まずは、補助金の申請前に今一度「中小企業省力化投資補助金」とはどのような制度なのかを理解するところからはじめましょう。

中小企業省力化投資補助金のホームページには、申請要件や対象経費などがまとめられた「公募要領が掲載されています。制度への理解を深めるとともに、対象事業者に自社が該当するか確認できますので、必ずチェックしましょう。

今回の補助金の事業対象者は人手不足の状態にある中小企業・個人事業主とやや限定されています、自社が指定された要件に当てはまるかはとくに確認が必要です。

そのほか、申請前にはスケジュールについても確認が必要です。初めての申請で準備期間や事業スケジュールなどに不安がある事業者は、申請サポート業者の無料相談を活用するのもおすすめです。

②申請書類を準備する

公募要項を確認した後は、申請するために必要な書類の準備をしましょう。中小企業省力化投資補助金の申請に必要な書類は下記の通りです。

全事業者共通の提出書類】

・【指定様式】従業員名簿(中小企業判定用)

・賃借対照表(前期・前々期)

・損益計算書(前期・前々期)(※1)

・【指定様式】省力化効果判定シート(※2)

※1:個人事業主で白色申告の場合は収支内訳書
※2:販売事業者が添付します

 

法人の提出書類】

・履歴事項全部証明書、発行から3カ月以内のもの

・直近3期分の法人税納税証明書(その2)

・【指定様式】役員名簿

・【指定様式】株主・出資者名簿

 

個人の提出書類】

・確定申告書の控え第一表、直近1期分

・直近1期分の所得税納税証明書(その2)

 

人手不足を証明するための書類

設問への回答によっていずれかの書類が必要となります。

・【指定様式】時間外労働時間

・【指定様式】従業員減少の確認用

・求人募集したことを証明する書類(申請日から1年以内のもの)

 

大幅な賃上げ対象者の提出書類】

・事業場内の最低賃金者の賃金台帳

上記以外にも、申請内容や状況に応じて事務局から追加書類の提出が求められるケースもあります。

③gBizIDを取得する

本補助金の申請には電子申請システムを利用するためgBizIDプライム」の取得が必要となります

gBizIDとは法人・個人事業主向け共通認証システムで、アカウントを取得することで複数の行政サービス にログインが可能です。

gBizIDには、gBizIDプライム、gBizIDメンバー、gBizIDエントリーという3種類のアカウントがあり、利用するサービスによって必要なアカウントが異なりますが、今回の補助金では「gBizIDプライム」が必要なアカウントとなるので取得しておきましょう。

申請方法としては、書類郵送とオンラインの2種類の申請方法があり、書類郵送申請では発行まで約1週間、オンライン申請であれば最短即日発行が可能です。

取得方法の詳細については、下記記事もあわせてご覧ください。

GビズID』のアカウント取得方法~3種類のアカウントはどれを取得すればいいの?

④カタログから製品を選定する

中小企業省力化投資補助金のホームページに掲載されている製品カタログから事業で使用する製品と販売事業者を選び、事業者へ連絡を行いましょう。

また、選定時には「省力化製品規模対応表」を確認するのがおすすめです

「省力化製品規模対応表」には、製品導入によってどのくらいの省力効果や費用効果があるのかをまとめているので、自社にとって一番どの商品を導入するべきかを把握できます。

⑤販売事業者と共同で事業計画を策定する

補助事業申請は、補助対象となる製品の販売事業者と共同で、労働生産性の向上目標を達成する見込みのある事業計画を策定し、公募期間内に共同事業実施者として販売事業者とともに申請受付システムで申請を行います。

策定する事業計画には下記3点を必ず盛り込みましょう。

【事業計画に盛り込む事項】

・導入製品の使用方法

・製品の導入によって期待される省力化効果

・省力化により既存業務から抽出できると期待される時間・人員の使途

また、複数種類の製品を補助対象として同一公募回に申請するには、各事業者と個別に策定、申請が必要となってくるので注意しましょう。

⑥事業者から申請受付システムへの招待を受ける

中小企業省力化投資補助金の申請受付システムは、補助事業者だけでは利用できません共同事業実施者である販売事業者からの招待が必要です。

招待を受け次第、必要事項を記入し申請を行います。記入項目としては主に下記内容となります。

【申請システムへの記入項目】

①基本的事項

・組織形態等の事業者情報

・事業者の本店所在地

・省力化製品を導入する所在地

・自身の該当する業種(産業分類をもとにリスト化された選択肢から選択)

・役員情報

・過去3年間の課税所得

・担当者情報

②省力化製品を導入する業務

③導入する省力化製品と申請する価格

④人手不足であることを示す事項

⑤省力化を進めるための事業計画

⑥給与支給総額及び事業場内最低賃金

⑦労働生産性の計画値

⑧直近の決算情報(2年分の損益計算書及び貸借対照表)

⑨一人当たり勤務時間の年間平均

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中小企業省力化投資補助金の採択後の流れ

続いては、採択後の流れや補助金を受け取るための手続きなどを見ていきましょう。

⑦省力化製品を導入し事業を実施する

採択(交付決定)通知を受けたら、すぐに事業に着手しましょう。

販売事業者とともに策定した事業計画に基づき、カタログに登録されている省力化製品を購入します。なお、支払い証憑はその後に行う実績報告に必要となりますので、必ず保管しておきましょう

⑧実績報告を提出する

 

補助事業の完了後には、事務局へ実績報告の提出が必要です。

実績報告では下記3つの事項を必ず記載しましょう。

【実績報告の記載事項】

・支払いに係る証憑(省力化製品の発注、契約、納品、検収、請求、支払いに関する書類)

・導入実績に係る証憑

・事業計画の達成状況(省力化の効果や賃上げの実績)

「賃上げによる補助上限額の引き上げ」を適用している事業者は、賃金の引き上げ実績が確認できるまでは実績報告を行えないため注意が必要です。

⑨補助金額の支払いを受ける

事務局へ実績報告をした後に補助金額の確定が行われ、結果と支払い案内が連絡されます。

補助額に関しては、交付決定を受けた補助額の全額が支払われない場合もあるという点に注意が必要です。

⑩フォローアップを実施する

補助事業完了後も、以降5年間は効果報告期間として、主に下記のフォローアップ業務の実施・検査への対応などが必要となります

【効果報告期間に実施する必要がある手続き】

・効果報告

・実地検査

・立入検査

・会計検査院への対応

効果報告では、毎年度初めに省力化製品の稼働状況と事業計画の達成状況(省力化の効果と賃上げの実績)の2点の報告が必要です。

省力化によって人員整理を行った場合や達成する見込みのない事業計画を故意に作成、意図的に導入した省力化製品を未使用のまま放置していたなどの場合は、補助金の返還が求められる場合があるので注意しましょう。

実施検査とは、効果報告期間が終了するまでに、省力化製品が事業所に導入されていることの検査で、事前に事務局から日時の連絡があります。

事業計画内で記載された事業場内で省力化製品が使用されていなかったり、他の補助金の重複となる事業に使用されたりした場合は交付決定の取り消しになることがあるので注意しましょう。

事務局が補助事業の適切な遂行を確保するために販売事業者と補助事業者の事業所などを訪問し、帳簿書類やその他の物件の検査や関係者への質問をする立入検査や会計検査院の実地検査の対象となる場合もあります。

申請から補助金交付までの流れで注意すべきポイント

これまで申請から補助金交付までの流れを紹介してきましたが、とくに注意すべきポイントについて解説していきます。

補助対象要件の把握

中小企業省力化投資補助金の補助対象となるには、指定された「補助対象要件」を満たす必要があります。事業策定の前には、必ず下記要件をチェックしておきましょう。

【申請要件】

・導入する省力化製品に紐付けられた業種のうち少なくとも1つ以上が、補助事業者が経営する事業の業種と一緒であること

・カタログに登録された価格以内の製品本体価格、導入経費を補助対象として事業計画に組み込むこと

・労働生産性の向上目標を設定し、その実現に向けて取り組むこと

・補助上限額の引き上げを行う場合は、賃上げの目標を設定し、その計画を従業員に対して表明し、実現に向けて取り組むこと

・省力化製品を登録されている業種・業務プロセス以外の用途に使用する事業ではないこと

・労働生産性の向上に関する目標を合理的に達成することが可能な事業計画に沿って実施されること

・効果報告期間が終了するまでの間、省力化製品の導入を契機に、自然退職や自己都合退職ではない従業員の解雇を積極的に行わないこと

・補助額が500万円以上の場合は、保険への加入を行うこと。

・GビズIDプライムを取得していること。

審査項目の把握

申請後に行われる採択審査では、上記要件を満たしているかだけではなく、独自の審査項目によって審査されています。

1つめは、申請した事業計画で省力化の効果が合理的に説明され、省力化への投資で高い労働生産性の向上が期待できるかどうかが審査されます。

既存業務の省力化で新しい取り組みを実施する、高付加価値業務へのシフトを行うなど、単なる工数削減以上の付加価値の増加が期待できるかも審査対象です。

2つめは、大幅な賃上げによって補助上限額引き上げの適用など、賃上げに積極的に取り組んでいる、もしくは取り組む予定であるかどうかも審査対象となっています。

事業計画には、上記の2点を意識して盛り込むとともに、具体性・実現性のある計画策定を意識しましょう。

まとめ

本記事では中小企業省力化投資補助金について解説してきました。

本補助金は売上拡大や生産性向上を支援するための制度として、人手不足に悩む中小企業に効果のある省力化製品を導入する補助金です。

記事内では、申請に必要な書類手配や申請手順、交付手続き、事業完了後に行う効果報告など、実施しなければならないことを時系列で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

なお、採択のためには審査基準を意識した事業計画を策定しなければなりません。共同事業者との連携や制度への理解に不安がある方は、申請をサポートする行政書士や中小企業診断士などの専門家への相談も検討してみましょう。

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