大規模成長投資補助金の申請にコンサルタントは必要?報酬の相場や選び方を解説

中堅・中小企業の人手不足に対応するための制度である大規模成長投資補助金。利用に際してほかの補助金額との差をはじめとしたメリットが気になる方もいるでしょう。ほかにも、コンサルタントに依頼を検討している方もいるかと思います。今回は大規模成長投資補助金の最大金額やコンサルタントに依頼する際の選び方などを解説します

「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の概要

「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」は、中堅・中小企業が、人手不足をはじめとした課題に対応し、成長するための大規模投資を促進することで、地方における持続的な賃上げ実現を目的とした制度です。

補助金の申請要件は以下のとおりです。

  • 補助対象経費分の投資額が10億円以上であること
  • 補助事業終了後3年間の対象事業に関わる従業員等1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率以上であること

資本金の制限がないため、「みなし企業」を除く多くの中小企業が申請可能な点が特徴です。また、補助金額は最大50億円、補助率は1/3以内となっており、これまでの補助金制度と比較して大規模な投資が可能である点も魅力のひとつと言えます。

大規模成長投資補助金はコンサルタントと協力して申請するのがおすすめ

大規模成長投資補助金の申請には事業計画の策定や申請書類の作成などを行う必要があり、申請準備にはまとまった時間を確保しなければなりません具体的な手順と想定される作業時間を下記にまとめました。

  • 概要資料や公募要領を熟読し、制度を把握する(約5時間)
  • 資金の目途を立てる、業者選定、見積りの取得などの事業計画の策定(約10時間)
  • 成長投資計画書(様式1)の作成(約40時間)
  • 成長投資計画書別紙(別紙2)の作成(約3時間)
  • 作成した計画書と別紙の見直し、整合性チェック(約2時間)

申請準備には、60時間ほどの作業時間を見積もっておく必要があるでしょう。

なお、上記の作業時間は補助金制度への知識を持つ方が申請を行うケースで想定しています。初めての申請を行う方は、想定以上の時間が必要となるかもしれません。申請をサポートするコンサルタントや専門家と協力し、制度への理解を深めながら効率的に申請準備を進めるのがおすすめです。

ただし、コンサルタントへの依頼料は「専門家経費」の対象外となる点に注意しましょう。

大規模成長投資補助金のコンサルタント費用相場は?

大規模成長投資補助金のコンサルタント費用は、カウンセリングや問い合わせ内容をふまえて算出する「個別見積り」方式が主流です。また、「着手金」と「成功報酬」の2種類に分けて料金設定されている傾向にあります

申請に必要な書類のひとつである「成長投資計画書」の作成サポート代金とも言える「着手金」の相場は、10万円〜15万円程度。申請した事業計画が採択された場合の成功報酬は、交付金額の1~7%ほどの金額が相場となっています。交付金額に関わらず固定報酬を設定しているケースもあるため、正式な依頼前に確認しておきましょう。

また、コンサルタントのなかには、実績報告をはじめとした採択後の事業計画の遂行をサポートするサービスを提供する業者も存在します。サービスの利用に応じて追加料金が発生する場合があるので、見積金額・サービス内容を照らし合わせたうえで依頼を進めることをおすすめします。

大規模成長投資補助金のコンサルタントの選び方

大規模成長投資補助金のコンサルタントの選び方は以下のとおりです。

  • 実績の有無
  • 国家資格者の有無
  • 料金体系とサポート内容
  • 対応力の高さ
  • 補助金以外の知見

それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

実績の有無

採択実績は、コンサルティング能力の高さや申請ノウハウを持ち合わせている証と言えますサイトに掲載されている採択実績や、メールで直接問い合わせ、過去の採択事業種やサポート内容などを確認するのがおすすめです。

国家資格者の有無

大規模成長投資補助金の申請時には、事業計画の策定やその後の計画実施など専門家のサポートが必要となる場面が複数あります。具体的かつ専門的なアドバイスを受けたい方は、国家資格を保有する専門家が在籍しているかを確認するのがおすすめです。

専門家の具体例としては、中小企業診断士、行政書士などがあげられます。

中小企業診断士は、補助金に関する知識に加え経営における課題診断・解決策の提案能力を備えています。会社の状況をふまえた補助金選び、事業の実施に関するアドバイスなども期待できるでしょう。

行政書士は、法的知識と行政手続きに関する豊富な知識量が特徴。早めの申請を目指したい方は、行政書士に依頼することで効率的な申請準備が期待できます。

また、補助金の採択後から賃上げのフォローアップ期間中に、公正取引委員会の「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の遵守状況のチェックが必要となりますが、この点でも行政書士の助言が役立つでしょう。

補助金申請を中小企業診断士・行政書士に相談するメリットとは?

料金体系とサポート内容

大規模成長投資補助金のコンサルタントを料金体系から選ぶ際は、自社にとって最適な料金体系かどうかを確認しましょう審査結果に関わらず着手金が発生するケースや、交付金額を問わず高額な固定料金が設定されている可能性もあります。必ず正式依頼前に総費用の確認を行いましょう。

また、大規模成長投資補助金の申請には多くの書類作成や手続きが必要です。コンサルタントがどの程度のサポートを提供してくれるかも確認するのがおすすめです。申請書類の作成支援、電子申請時のサポート、プレゼンテーション対策など、自社に合ったサービスを提供してくれるコンサルタントを選びましょう。

対応力の高さ

大規模成長投資補助金は、プレゼンテーション審査対策をはじめ、通常の補助金申請と異なる対応が必要です。コンサルタントを選ぶ際は、補助金の専門知識だけでなく、経験を活かした対応力の高さも重視するとよいでしょう

補助金以外の知見

大規模成長投資補助金のコンサルタントを選ぶ際は、補助金申請の支援能力だけでなく事業計画自体も支援できるようなコンサルタントが望ましいです

例えば、銀行をはじめとした金融機関とのコネクションを持つ業者であれば、事業計画における資金繰り問題をスムーズに解決できるでしょう。また、オンライン会議ツールを活用している業者は、直接足を運ぶことなく打ち合わせができるのが魅力です。メールでの問い合わせ時にはこうした補助金以外の知見も確認してみましょう。

まとめ

ここまで、大規模成長投資補助金に関する情報やコンサルタントに申請を依頼する際の選び方などを解説しました。大規模成長投資補助金はほかの補助金制度と比べて最大金額が大きく、割合も高い点が特徴です。

有効活用することで、事業をより効率的に進められるでしょう。一方で、申請準備には多くの時間を必要とするため、初めて補助金を申請する方、効率的に申請準備を進めたい方はコンサルタントによる申請サポートを活用するのがおすすめです。

補助金の窓口では、中小企業診断士と行政書士が補助金申請と事業計画書の作成サポートを行っております。無料のオンライン面談、公式LINEでの問い合わせサービスなども提供しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。