小規模事業者持続化補助金 低感染リスク型ビジネス枠について

小規模事業者持続化補助金低感染症リスク型ビジネス枠

※2023年(令和5年度)4月新年度補助金申請相談受付中!

小規模事業者持続化補助金は、地道な販路の開拓に努めている全国各地の中小企業や個人事業主を対象に、その集客・マーケティング・広告などに関する費用を一部補助するものです。

この持続化補助金には、大きく分けて「一般型」と「低感染リスク型ビジネス枠」の2種類があります。

一般型は、持続化補助金制度が始まった2014年から導入されているものですが、2020年に「コロナ特別対応型」が新設され、2021年より「低感染リスク型ビジネス枠」に名称が変更されました。

この記事では、持続化補助金の低感染リスク型ビジネス枠について、集中的にその概要をまとめています。

※この記事は、2021(令和3)年3月下旬現在の情報をもとに制作しています。初回公募が未だ行われていないため、変更される場合もあります。小規模事業者持続化補助金の申請を実際にご検討中の方は、経済産業省や中小企業庁などの公的機関が発表する最新情報と照らし合わせながらご覧ください。

持続化補助金「低感染リスク型ビジネス枠」の目的

2020年から世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルス(covid-19)の感染者数は、ワクチンなどの根本的な予防法がなかなか確立されなかったことから、世界で1億2000万人を超え、肺炎などで277万人以上の犠牲者を出しています。

世界の中でも早い段階で感染が広がった日本では、比較的感染が広がらず、感染者数は全国民の約0.3%にあたる約47万人、死者9000人にとどまっています。
それでも、より多くの国民に影響を及ぼしたのが「外出自粛」による生活習慣の変化、そして、「コロナショック」ともいわれる景気悪化です。

まず、飲食や小売りなど、店舗を構える業態で客足が遠のき、来客が9割以上減った店舗もあるほどです。そこから、各店舗に商品を卸す農業や製造業などにも広く悪影響が及ぼされました。

2020年4~6月期の国内総生産(GDP)は、前年比にしてマイナス27.8%で、戦後最大の下げ幅となり、「国難」ともいえるほど深刻な経済的ダメージを受けています。

そこで、小規模事業者の販路開拓活動を補助する持続化補助金に、昨年「コロナ特別対応型」が新設されたのです。

店舗内での感染防止対策費(消毒液・マスク・間仕切り・換気設備・体温計測用のサーモグラフィーなど)を、100%補助するという、感染予防の緊急性を踏まえた大胆な政策でした。

しかし、この「コロナ特別対応型」は昨年12月に廃止され、代わりに「低感染リスク型ビジネス枠」が設置されたのです。

「コロナ」という具体的な病原名を使わないことで、コロナショックを克服した将来の「アフターコロナ時代」を見据えた小規模事業者の取り組みに対し、国を支援する姿勢が明確になったといえます。

持続化補助金「低感染リスク型ビジネス枠」の内容

まず、持続化補助金を受け取る資格がある「小規模事業者」の条件は次の通りです。

●卸売業・小売業・サービス業(※ただし、宿泊業・娯楽業を除く)で、5人以下の従業員を常時雇用する企業・個人事業主

●それ以外の業種(宿泊業・娯楽業を含む)で、20人以下の従業員を常時雇用する企業・個人事業主

そして、店舗スタッフと顧客の物理的な接触を最小限、あるいは完全に絶つため、「オンラインシステム」を導入した小規模事業者に対して、上限100万円、補助率4分の3(75%)の条件で補助することになっています。

もし、100万円の補助金を受け取るなら、133万3333円の経費を使わなければなりません。残り4分の1は自己負担分となります。

たとえば、今まで店舗販売していた商品を、ECサイト(ネット通販サイト)を新設して販売するように態勢を整えたり、店舗内で料理を注文するときに、顧客がタブレット等を操作して料理を注文できるようにするオンラインシステムを新たに導入したりするなどの事例が想定されます。

なお、コロナ特別対応型にあった「非対面型ビジネスモデルへの転換」「テレワーク環境の整備」の条件が、低感染リスク型ビジネス枠では撤廃されています。

たとえば、オンライン会議システムを新たに導入して、従業員のテレワーク(リモートワーク)や、顧客との非対面型コミュニケーションによる接客や相談受付などを行う場合、持続化補助金の対象にならない可能性があります。代わりに、IT導入補助金の対象となる可能性がありますので、事例ごとに補助金事務局に問い合わせるなどで確認をお願い致します。

補助率は、コロナ特別対応型のときと据え置きで、原則として4分の3(75%)、補助上限が100万円です。
ただし、店舗内での感染防止対策費については、4分の1(25%)に制限されます。
コロナウイルス感染症が日本で広まり始めてから1年以上が経った2021年の段階では、各店舗のコロナ対策はほぼ普及し終わっています。その現状から、感染防止対策費を補助すべき緊急性が、昨年に比べて高くないと考えられるため、補助率が引き下げられているのです。

たとえば、店舗販売に加えてECサイトを構築するためのWebデザイナーへの外注費用として100万円、コロナ感染防止のための店舗リフォーム費用に100万円使った場合(計200万円)、それぞれ最大で75万円と25万円(計100万円)が補助されます。

ただし、緊急事態宣言の再発令(2021年1月上旬以降)によって、2021年1月~3月のいずれかで、売上が前年(または前々年)同月比で30%以上減少している場合は、感染防止対策費の補助率が、特別に2分の1(50%)にまで引き上げられます。

低感染リスク型ビジネス枠「オンラインシステム導入」に関する例

・客足が遠のいたイベント会場が、新たにオンラインライブ配信の観覧チケットを発売するため、必要な映像・音響機材や、高速ウェブ回線などを導入した。

・新型コロナの影響で、来客が大幅に減ってしまった古着屋が、新たにオンラインショップを開設するため、ウェブデザイナーに外注した。

・小さなブティック型映画館(ミニシアター)が「密」にならないよう、オンライン予約システムを新たに導入し、来客数を事前に調整できるようにした。

低感染リスク型ビジネス枠「感染症対策」に関する例

・客席と客席の間に、透明アクリル製の間仕切りを設置した。

・接客スタッフの表情が顧客にも見えやすいよう、飛沫飛散防止の「フェイスシールド」を導入した。

・本格的に店舗を消毒するため、除菌剤の噴霧装置・オゾン発生装置・紫外線照射器などを導入した。

持続化補助金 低感染リスク型ビジネス枠の公募スケジュール

低感染リスク型ビジネス枠の初回公募は、2021年3月末までに開始されることが予定されています。ただし、4月以降にズレ込み可能性もありますので、申請予定の経営者は最新情報を常にチェックしてください。

持続化補助金 低感染リスク型ビジネス枠の必要書類

・申請書
・貸借対照表と損益計算書1期分(個人事業主は直近の確定申告書一式)
・経営計画書
・交付申請書

このほか、申請内容によって個別に必要となる書類もあります。
※以上は「コロナ特別対応型」において求められた必要書類ですので、低感染リスク型ビジネス枠では変更になる場合があります。

持続化補助金 低感染リスク型ビジネス枠の申請先

低感染リスク型ビジネス枠での申請は、窓口や郵送では受け付けられない予定です。
感染防止対策を万全にする意味で、すべてオンライン申請で統一される見込みとなっています。

GビズIDプライムアカウントを取得し、補助金オンライン申請システム「Jグランツ」上に入力して申請します。
申請受付締め切り日まで、24時間いつでも申請できます。