ホームページ制作で小規模事業者持続化補助金を受け取るには?

ホームページ制作持続化補助金

※2023年(令和5年度)4月新年度補助金申請相談受付中!

いわゆる持続化補助金は、今よりも販路を拡大して、客数や客層を広げていこうと努力している中小企業や個人事業主(小規模事業者)を対象に、そのための費用を一部補助するものです。

持続化補助金による補助対象となる販路拡大の費用例としては、店舗の拡張やリフォーム、看板の新調、宣伝広告費、配布用のチラシの作成の他、ホームページの制作が挙げられることもあります。

では、どんな種類のホームページでも、小規模事業者持続化補助金による補助対象となるのかどうか、この記事で検討していきます。

※この記事は、2021(令和3)年3月下旬現在の情報をもとに制作しています。小規模事業者持続化補助金の申請を実際にご検討中の方は、経済産業省や中小企業庁などの公的機関が発表する最新情報と照らし合わせながらご覧ください。

持続化補助金は、規模の大きな会社には適用されない

まず、持続化補助金を受け取る資格がある「小規模事業者」の条件は次の通りです。

●卸売業・小売業・サービス業(※ただし、宿泊業・娯楽業を除く)で、5人以下の従業員を常時雇用する企業・個人事業主

●それ以外の業種(宿泊業・娯楽業を含む)で、20人以下の従業員を常時雇用する企業・個人事業主

つまり、大企業が対象にならないのはもちろんのこと、いわゆる中小企業でも、従業員を多く雇用していれば、持続化補助金を申請する資格がありません。
その点は申請前にあらかじめ確認しておいてください。

持続化補助金には2種類ある

持続化給付金には「一般型」と「低感染リスク型ビジネス枠」の2種類があります。

一般型は、地道な販路拡大(集客・マーケティング・広告活動・店舗改装など)の目的に関わり、支出された経費の一部を補助するものです。

原則として、補助上限額が50万円、補助率が3分の2(66.7%)と設定されています。
ただし、商業登記での法人設立日や開業届に記載した開業日が 2020 年1月1日以降、あるいは産業競争力強化法に基づく「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援」を受けている会社や個人事業主については、特別に補助上限額が100万円となります。

低感染リスク型ビジネス枠は、新型コロナウイルスによる感染拡大で、外出自粛要請や営業時短要請が発令された結果、売上が激減してしまった店舗などの経営者が、改めて顧客の感染を予防するさまざまな措置を講じたことで、支出された経費の一部を補助するものです。

原則として、補助上限額が100万円、補助率が4分の3(75%)と設定されています。新型コロナウイルスの影響による売上減を克服するため、さらなる販路拡大の取り組みを行う必要性や緊急性が高いため、一般型よりも手厚く補助するしくみになっているのです。

なお、店舗営業で客席の間に設置する間仕切りや、健康管理用の非接触型体温計、従業員に支給するマスクやフェイスシールドの導入など、感染防止対策費に限っては補助率が4分の1(25%)となります。

ただし、2021年1月~3月のいずれかで、売上が前年(または前々年)同月比で30%以上減少している小規模事業者については、感染防止対策費の補助率が、特別に2分の1(50%)にまで引き上げられています。

ホームページ制作費用は、持続化補助金で補助されるか?

ひとことにホームページといっても、大きく分けて2種類あります。
ひとつは、「静的ホームページ」です。どの訪問者に対しても、ほぼ決まった内容の文章・画像・動画を表示するものです。
もうひとつは「動的ホームページ」です。訪問者ごとに合わせて、それぞれ違った内容の文章・画像などが表示されるものです。

静的ホームページは、どちらかというと「チラシ」「パンフレット」(広告物)に近い性質がありますので、販路拡大という持続化補助金の目的でいえば、「一般型」で申請したほうが採択されやすいと考えられます。

動的ホームページは、ECサイト(ネット通販サイト)のように、それぞれのユーザーがログインして使い、プログラムで盛んにデータのやりとりをするものです。パンフレットというよりも、実際に売上を出せるセールスパーソンのようなものといえるでしょう。

販路拡大という持続化補助金の目的からは、オンラインシステムによって店舗スタッフと顧客の接触を最小限にするための手段にかかった経費を補助する「低感染リスク型ビジネス枠」のほうが申請が通りやすいかもしれません。

もっとも、以上は一般論です。「静的」「動的」だけですべて区別しきれるわけではなく、ホームページの性質によって個別具体的な事情は様々ですから、動的ホームページが一般型で採択されることもあれば、その逆も十分にありえます。

また、新たに制作する場合だけでなく、すでにあるホームページのリニューアル(改装)費用についても持続化補助金がおりる可能性もあります。

商工会議所や、補助金申請に関するコンサルティングを行っている専門家などに相談してみることをおすすめします。

IT導入補助金との違い

同じようにホームページ制作費用が補助対象となる可能性があるものに、IT導入補助金があります。

IT補助金とは、企業の生産性や業務効率を向上させるITツールを導入する場合に、その導入費用などの一部を補助するものです。

つまり、販路開拓・拡大に主な目的が据えられている持続化補助金とは、やや位置づけが異なるのです。

同じホームページ制作費用の補助でも、持続化補助金とIT導入補助金の棲み分けは、次の通りです。

IT補助金は、中小企業が広く対象になる

「小規模事業者」よりも、「中小企業」のほうが、より多くの企業を取り込める概念です。
よって、持続化補助金を申請する資格はなくても、IT導入補助金を申請する資格ならある企業も多いのです。その点で両者の棲み分けができます。

中小企業基本法2条によれば、中小企業の定義は次の通りです。
●製造業、建設業、運輸業など…… 資本金3億円以下・常時使用する従業員の数が300
人以下の会社および個人
●卸売業…… 資本金1億円以下・常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人
●サービス業…… 資本金5000万円以下・常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人
●小売業…… 資本金5000万円以下・常時使用する従業員の数が50人以下の会社および個人

IT補助金は、特定のITツールを採用したホームページのみ補助対象

IT導入補助金は、IT導入支援事業者(ITベンダー)が提供している、事務局に登録済みのITツールを導入した企業について、その導入費用の一部を補助する制度です。申請には必ずITベンダーの協力を得なければなりません。
まず、ITツールを使っている時点で「動的ホームページ」のみが対象ですし、しかもITベンダーが登録済みのITツールかどうか事前に確認しなければなりません。

よって、数十万円の報酬を支払い、フリーのWebデザイナーに外注してホームページを制作していても、IT導入補助金で登録済みのITツールが組み込まれていなければ、IT導入補助金で申請することはできません。
その場合は、持続化補助金で申請する必要があります。

補助額の上限・補助率が異なる

持続化補助金は、一般型が原則として、上限50万円・補助率が3分の2です。低感染リスク型ビジネス枠で、上限100万円・補助率4分の3となります。

一方でIT導入補助金は、上限450万円・補助率が2分の1~3分の2です。

ホームページ制作にかかった経費の額や、サイトの性質ごとに、補助金を使い分けるとうまくいきます。