持続化補助金は個人事業主・フリーランスにも支払われるのか?

持続化補助金個人事業主

※2023年(令和5年度)4月新年度補助金申請相談受付中!

ホームページ外注費用や広告宣伝費など、販路の拡大を行うために事業者が支払った経費の一部を補助するものとして、最も有名なのが持続化補助金(小規模事業者持続化補助金)です。

ただ、その「小規模事業者」に個人事業主・フリーランスが含まれるのか、気になっている方もいることでしょう。

この記事では、個人事業主・フリーランスに、持続化補助金の申請資格があるのかどうか、検討していきます。
小規模事業者持続化補助金 飲食店の申請について

結論! 個人事業主・フリーランスにも適用されます

小規模事業者とは何か、その定義は、中小企業に関する施策を総合的に推進し、もつて国民経済の健全な発展及び国民生活の向上を図ることを目的とする中小企業基本法で定められています。

中小企業基本法2条5項には、「この法律において『小規模企業者』とは、おおむね常時使用する従業員の数が二十人(商業又はサービス業に属する事業を主たる事業として営む者については、五人)以下の事業者をいう」と規定されています。

常時使用の従業員数が20人以下(※娯楽業や宿泊業をのぞく商業やサービス事業では5人以下)の事業者と規定されていて、法人か個人かは区別されていません。よって、個人事業主やフリーランスも小規模事業者持続化補助金を受ける資格があると解釈できます。

小規模事業者よりも規模の大きな法人を想定している中小企業の定義も、この法律に定められていますが、そこでは「会社及び個人」(2条1項1~4号)とハッキリ書かれています。

「中小企業」ですら個人事業主を含んでいるのですから、それよりも規模が小さな「小規模事業者」が個人事業主を含まないと解釈するほうが不自然でしょう。

そもそも、経済産業省ならびに中小企業庁が運営する、事業者向け補助金で、法人のみを対象にし、個人事業主・フリーランスのみが排除されている例は過去にないと見られています。

同じように、持続化補助金が個人事業主・フリーランスを対象から外す合理的な理由もないと考えられます。

個人事業主・フリーランスにも持続化補助金を支給する必要性が高い

個人事業主・フリーランスは、会社などの法人と比べても、財務的な基盤が弱いことが多いです。基本的にひとりで活動し、他人を従業員として雇用することを想定していない(個人事業主が他人を雇用すること自体は法的に可能です)ことから、売上の規模も年間数百万円程度であることが大半です。

また、個人事業主・フリーランスも、チラシの作成や配布、広告掲載などの地道な販路開拓をしなければならないのは会社と同じなのです。

さらに、顧客に商品を提供し続けなければならないのに、商品の供給が止まってしまった「サプライチェーンの毀損」に対応する費用、対面せずに遠隔でサービスを提供するビジネスモデルへ転換したり、テレワーク環境を整備したりするための費用を支出し、ウィズコロナ・アフターコロナ時代に対応するための費用も、個人事業主が負担する場面が少なくありません。

よって、会社と同じように、個人事業主・フリーランスも、使った販路拡大経費の一部について、持続化補助金を受け取って国からサポートを受ける必要性は高いといえるのです。

また、持続化給付金には新型コロナウイルス感染症に対応する出費を補助する「低感染リスク型ビジネス枠」も設けられています。

事業再構築補助金は、2020年から世界的に蔓延している新型コロナウイルスの感染予防にともなう緊急事態宣言・外出自粛要請の影響で、消費や企業活動が低調になった結果、売上が落ち込んだ事業者を助ける仕組みです。

ある程度の資本的基盤がある小規模事業者(法人)の多くが、コロナ禍の影響を受けて経営危機に陥っているのですから、ましてや、法人よりも資本的な基盤が総じて弱く、コロナ禍にひとりで立ち向かわなければならない個人事業主やフリーランスの多くは、中小企業よりもコロナ禍の影響が直撃しているといえます。

以上の通り、持続化補助金が導入されたそもそもの理由まで考え合わせた実質的な意味でも、「小規模事業者」にフリーランス・個人事業主を含めて、会社と同じように補助しなければ、制度全体の設計として、つじつまが合わないというべきなのです。

そのほか、コロナ禍で苦しむ個人事業主向けの支援制度

個人事業主・フリーランスが、新型コロナウイルス蔓延による深刻な売上低下に見舞われているとき、それを公的に補助するものとして、小規模事業者持続化補助金のほかにも、次の制度があります。

中小企業等事業再構築推進補助金

通称「事業再構築補助金」と呼ばれるもので、2021年に初めて公募開始された補助金制度です。

新型コロナウイルスの影響で、Webチャットやオンライン会議システムを駆使した「テレワーク」が急速に浸透したり、不特定多数の人が集まりにくくなったりした影響で、たとえコロナ問題が解決しても、もう社会状況は元に戻らないといわれています。

そのような「アフターコロナ時代」の経済社会の変化も見据えた上で、個人事業主の思い切った事業再構築を支援するのが、事業再構築補助金の制度趣旨です。

家賃支援給付金

国や自治体からの緊急事態宣言や外出自粛要請が発令された結果、人の流れがパッタリと止まり、経済も停滞してしまいました。その「コロナショック」影響が大きかった2020年5月~12月の間で、前年比で一定割合において収入減少が認められる個人事業主に対して、家賃の3分の2に相当する額を6か月分、支給していました。月額あたり50万円が給付金による支援の上限です。

営業時短要請への協力支援金

飲食店舗を経営している個人事業主が、コロナウイルスの感染抑制を目的にして、都道府県知事の発令する営業時間短縮要請などに従い、営業を短縮した場合、その短縮営業による収入の減少を補うため、1日あたり4万~6万円が支給される制度が設けられている自治体もあります。

夜遅くまで営業すると、たとえ酒類を提供していない店舗であっても、酔っ払いが客として入って騒いで、その結果、飛沫が飛び散り、感染拡大の原因となるクラスターになる恐れがあるためです。

営業時間短縮要請の内容は、大半の場合、20時までの閉店、19時までの酒類提供です。

一時支援金

新型コロナウイルス対策としての緊急事態宣言・外出自粛要請によって、前年比で50%以上の収入減少があった個人事業主に対して、30万円を支給しています。

たとえば、客が激減した飲食店に食材を納品していた農業従事者・漁師・猟師、酒蔵などの飲料品メーカーとしての個人事業主、あるいは宿泊業・タクシー業などを営む個人事業主などが想定できます。

小学校休業等対応支援金

小学校、幼稚園、保育所、認定こども園などに通う子ども、あるいは特別支援学校(高校まで)に通う子どもを持つ単身の個人事業主・フリーランスに対する支援策です。
2020年2月27日~2021年3月31日までの間に、新型コロナウイルス感染症予防を目的とした小学校の休校等や、子どもの新型コロナウイルス感染症の発症・陽性反応、またはその疑いにより、自宅等で子供への世話をしなければならなくなり、本来の仕事をできなくなった個人事業主・フリーランスに対し、働けなくなった日数に応じて、一定額を支援しています。申請の期限は2021年6月末日です。