目次
○小規模事業者持続化補助金の採択から事後手続きの流れの概要
一般型 | 低感染リスク型ビジネス枠 | |
補助額 | 上限50万円
※共同申請可能 ※一定の要件によって100万円 |
上限100万円
※ポストコロナ社会に対応したビジネスモデルへの転換に資する取組や感染防止対策費(消毒液購入費、換気設備導入費等) |
補助率 | 補助対象経費の2/3以内 | 補助対象経費の3/4以内
※感染防止対策費は補助対象経費のうち1/4(最大25万円)または1/2(最大50万円)を上限に支援。 |
補助対象 | 店舗の改装、チラシの作成、広告掲載など | オンライン化のためのツールやシステムの導入、ECサイト構築費など |
令和3年の小規模事業者持続化補助金については、「一般型」「低感染リスク型ビジネス枠」が用意されており、事業を持続するための販路開拓などに支援を受けることができます。
ただし、この補助金については、交付決定を受けてすぐに補助金を受け取れるというものではありません。
計画に沿って補助事業にしっかりと取り組み、事業の終了後には事後手続きを行う必要があります。手続きが受理されたのちに、対象となっている経費に対して定められた範囲内で補助金を受け取ることができます。
この事後手続きについては、実績報告書の提出が必要となり、しかも期限までに提出しなければなりません。
また、どのような経費を支出したのか分かる書類なども整えておく必要があります。
必要になる提出物が確実に揃っていること、また補助対象となる経費の支出が適正になされていることが確認されて、実際の補助金の額が決定するのです。
そのため、採択後の取り組み内容によっては、補助金を受け取ることができない可能性もあります。
また補助金を受け取ったとしても、補助金の対象となる必要書類などは5年間の保管が義務づけられており、また5年間は補助金で支出したものを勝手に処分することもできません。
そのため、採択されることばかりに意識するのではなく、むしろ事業に取り組んだのちのことまでしっかりと把握しておくことが重要になります。
補助金適正化法に基づいて実施されるものですから、仮に偽造や改ざんなどによる不正受給などが発覚した場合には、交付決定の取り消しや返還だけではなく、5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処せられることもありますので注意が必要です。
○【令和3年】小規模事業者持続化補助金の採択から事後手続きの流れについて
小規模事業者持続化補助金が実際に採択され、事業に取り組んだのちの事後手続きについてご説明していきましょう。
・小規模事業者持続化補助金の採択から補助金受け取りまでの流れ
- 「採択結果通知書」が送付され「採択」もしくは「不採択」が決定する
- 「交付決定通知書」が事務局から送付される
- 事業計画に基づいて補助事業の取り組みを開始する
- 必要に応じて「変更承認申請書」「中止(廃止)申請書」を提出する
- 補助事業の実施期間が終了すれば期限内に「実績報告書」などを提出する
- 受理後に問題なければ「確定通知書」が事務局から通知される
- 「清算払請求書」を提出して請求手続きを行う
- 受理後に問題なければ振込手続きが行われ補助金を受け取れる
申請後に採択されてから、補助金を受け取るまでの流れについては、上記の通りとなっています。
採択後にはまず「採択結果通知書」が送付され、採択結果を知ることができます。こちらの通知はあくまで採択結果のみで、交付希望額を決定したものではありません。
交付希望額については申請時の提出物の内容を精査されたうえで、交付予定額が決定されることになり「交付決定通知書」によって通知されることになります。
この通知書に記載されている交付決定日が事業に取り組むスタートとなりますので、それ以前に発注や購入したものについては補助対象となりません。
補助事業の実施期間中に登録事項に変更が生じるような場合には、事務局に対して「登録事項変更届」の提出が必要となります。また中止するような場合においても、「中止(廃止)申請書」を提出しなければなりません。
補助事業が完了すれば、「実績報告書」などを提出することになります。
補助事業は実施期間が定められており、その期限までに取り組みを終了させなければなりません。
事業完了日は最大で実施期限日までで、遅くとも定められた提出期限までに「実績報告書」などを提出する必要があります。
受理された後に提出物に問題がなければ「確定通知書」が事務局から通知されますので、「清算払請求書」を提出して請求手続きを行って補助金を受け取ります。
補助金を受け取った後も、帳簿や支出の根拠となる書類などについては、補助事業完了後も5年間保存しておかねばなりません。
・小規模事業者持続化補助金の事後手続きについて
上記でお伝えした通り、自ら定めた補助事業の完了日までには取り組みを終了して、事後手続きに取り掛かっておく必要があります。
事務局に対して提出しなければならない書類については下記の通りとなっています。
- 実績報告書
- 経費支出管理表および支出内訳書
- 経費支出の証拠書類の写し
- 収益納付に係る報告書(該当者のみ)
- 取得財産等管理明細表(該当者のみ)
補助金を受けるために特に重要となるのが、経費支出に関するすべての書類になります。
場当たり的に支出したものに対して補助されるというものではなく、経理処理には仕様提示、見積、発注、納品、検収、請求、支払などといった一連の流れが求められています。
そのため、「なぜその商品やサービスを選んだのか」「なぜその店舗や事業者から購入したのか」「どのように商品やサービスを受けたのか」「どのように代金を支払ったのか」といったことが問われることになります。
もちろん、口頭での説明ではなく、それを証明する書類を提示しなければならないことになります。
経費の支出はおおむね次のような流れになり、それぞれの流れに必要な書類を備えておく必要があります。
- 仕様提示(仕様書)
- 業者から見積りを提示(見積書・料金表)
- 業者を選定し発注や委託契約(発注書・委託契約書)
- 納品や実績報告(納品書・報告書・確認書)
- 業者からの請求(請求書・積算明細)
- 支払いを行う(振込みの控え・領収書)
ただし、これらに合致していればいいというものではありません。
例えば、業者の選定に関して100万円を超えるような発注に関しては、より安価な発注先を選ぶようなことが必要となります。
また、支払いや手続きに関しては、補助事業実施期間内である必要があります。
代金を支払ったことを証明する書類として「レシートは不可」となっていますので注意が必要です。
事務局へ提出する「経費支出管理表および支出内訳書」については、これらの内容をまとめて整理しておかねばなりません。2部作成し、コピーなどを事務局に提出することになります。
補助事業の目的に沿ったものでなければ補助対象外となることはもちろんのこと、必要な経理書類を用意できないものについても補助金を受けることができませんので、必ず用意できるようにしておきましょう。
また支払いについては原則的には「銀行振込」となっており、10万円を超える支払いの場合に現金払いは認められていません。
さらにクレジットカードでの支払いについては、補助対象期間中に引き落とし確認ができる場合のみ対象となっている点についても注意が必要です。
○小規模事業者持続化補助金のスケジュールについて
受付締切日 | 補助事業の実施期間 | |
一般型
第5回受付締切分 |
令和3(2021)年6月4日 | 交付決定通知受領後から令和4(2022)年3月31日まで |
一般型
第6回受付締切分 |
令和3(2021)年10月1日 | 交付決定通知受領後から令和4(2022)年7月31日まで |
一般型
第7回受付締切分 |
令和4(2022)年2月4日 | 交付決定通知受領後から令和4(2022)年11月30日まで |
一般型
第8回受付締切分 |
未定 | 未定 |
小規模事業者持続化補助金のスケジュールについては、2021年3月の時点で決定しているのは上記の通りとなっています。
現時点では「一般型」のみ公募予定が決まっている状態であり、「低感染症リスク型ビジネス枠」については、3月中には発表される見込みとなっています。
うまく活用して、事業の再構築に取り組んでいけばいいでしょう。