小規模事業者持続化補助金の必要書類を枠組み別にご紹介!加点項目申請時の追加書類も解説

小規模事業者・個人事業主の販路開拓支援を目的とした補助金小規模事業者持続化補助金。複数の申請枠が設けられさまざまな事業者・事業計画で活用できる補助金ですが、申請にあたっては複数の書類を用意しなければなりません。

そこでこの記事では、「申請時の必要書類」を申請枠や利用する特例などのケース別に解説します。自身の申請内容に沿って必要書類をご確認ください。また、記事後半では最も重要な書類である「事業計画書」作成のコツも紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

※:本記事は、執筆時点の情報をまとめたものです。最新情報と異なる可能性があるため、各種補助金制度の詳しい情報については公式サイトも併せてご確認ください。

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本記事でわかること

・小規模事業者持続化補助金の必要書類

・個人事業主、NPOが申請する際に用意すべき書類

・小規模事業者持続化補助金の申請枠ごとの必要書類

・インボイス特例を利用する際に必要な書類

・事業計画書を作成する際のポイント

小規模事業者持続化補助金の必要書類

小規模事業者持続化補助金には全申請者が必須の提出書類」と「希望する枠・特例に応じて必要となる書類」、「個人事業主や加点項目を利用する事業者など、一部事業者のみ必要となる書類の3種があります。

なお、上記3パターンの書類はいずれも補助金申請システム「Jグランツ」を使っての提出が推奨されます。紙の書類はスキャンし、PDFファイル形式で保存しておきましょう。

それでは、まずは全申請者が必須の提出書類から確認していきましょう。

【小規模事業者持続化補助金に係る申請書(様式1)】

原本を提出します。電子申請の場合は提出不要です。

 

【経営計画書兼補助事業計画書①(様式2)】

【補助事業計画書②(様式3)】
どちらも原本を提出します。

 

【事業計画支援書(様式4)】
地域の商工会・商工会議所が発行する書類で、原本を提出します。なお、発行の受付締め切りは原則として公募締め切りの1週間前となっています。期間に余裕を持って申請をおこないましょう。

 

【補助金交付申請書(様式5)】
郵送による申請時のみ必要となる書類です。原本を提出します。

 

【宣誓・同意書(様式6)】
原本を提出します。

なお、電子申請の際は様式ごとにデータを分けて提出します。書類準備の際にはデータを結合したまま作成しないよう、注意して作業をおこないましょう。

申請者に応じて必要となる書類

続いて、必須の提出書類のうち申請者の業態に応じて必要となる書類をまとめました。

【直近1期分の貸借対照表および損益計算書】
法人の申請で必要となる書類で、写しを提出します。損益計算書がない場合は、確定申告書(表紙(受付印のある用紙)と別表四(所得の簡易計算))の写しを提出します。なお、決算期を一度も迎えていない場合は提出不要です。

 

【株主名簿】
法人の申請で必要となる書類で、写しを提出します。経営計画書兼補助事業計画書①(様式2)にある「確認事項」欄に出資者の名称、出資比率を記載されていない場合に提出が必要です。

 

【直近の確定申告書または所得税青色申告決算書】
個人事業主の申請で必要となる書類で、写しを提出します。確定申告書は【第一表及び第二表及び収支内訳書(1・2面)を、所得税青色申告決算書は税務署受付印のある1~4面を提出します。なお、決算期を一度も迎えていない事業主は開業届の写しを代わりに提出します。なおマイナンバーが提出書類に記載されている場合、番号を黒塗りで隠して提出しましょう。

 

【直近1期分の貸借対照表および活動計算書】
NPOの申請で必要となる書類で、写しを提出します。決算期を一度も迎えていない場合は、代わりに「収益事業開始届出書」の写しを提出します。

 

【現在次項全部証明書または履歴事項全部証明書】
NPOの申請で必要となる書類で、原本を提出します。申請書提出日から3か月以内の日付のものを提出する必要があります。

 

【直近1期分の法人税確定申告書】
NPOの申請で必要となる書類で、写しを提出します。別表一(受付印のある用紙)および別表四(所得の簡易計算)を用意しましょう。決算期を一度も迎えていない場合は、代わりに「収益事業開始届出書」の写しを提出します。

なお、収益事業をおこなっていても免税されており確定申告書を提出できないNPOは申請できません。

上記のとおり、法人の場合は2点、個人事業主の場合は1点、NPOの場合は3点の追加書類が必要となります。

小規模事業者持続化補助金の申請枠に応じた必要書類

続いては、各申請枠に応じて必要となる書類を枠ごとにご紹介します。記事執筆時の最新公募である第13回公募では、下記のケースで追加書類が必要です。

・賃金引上げ枠、卒業枠、創業枠への申請時

・「インボイス特例」の申請時

・「加点項目」の利用時

ケースごとに必要書類をまとめてご紹介していきます。

なお、各申請枠や特例の詳細を確認したい方は、下記記事にて詳細を解説していますので合わせてご覧ください。

2023年・令和5年度の小規模事業者持続化補助金について解説!対象者や金額、変更点をご紹介

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賃金引上げ枠の申請に必要な書類

賃金引上げ枠は、物価上昇に対し積極的な賃上げに取り組む事業者を支援するための申請枠です。申請には、下記の書類が必要となります。

【賃金引上げ枠申請に係る誓約書(様式7)】
自署または記名捺印のうえで、原本を提出します。

 

【直近1か月間における労働基準法に基づく賃金台帳】
役員・専従者従業員を除く全従業員分の賃金台帳の写しを提出します。なお、賃金台帳には「氏名、性別、賃金計算期間、労働日数、労働時間数(時間外・休日・深夜労働含む)、基本給や手当等の種類とその金額、控除項目とその金額」が記載されている必要があります。

 

【雇用契約書、労働条件通知書、就業規則等の書類】
役員、専従者従業員を除く全従業員の雇用条件(1日の所定労働時間、年間休日)が記載された書類の写しを提出します。

 

【直近1期の法人税申告書(別表一・別表四)】
赤字の法人事業者のみ必要となる書類です。税務署へ提出した税務署受付印があるものの写しを申請書に添付したうえで提出します。

卒業枠の申請に必要な書類

卒業枠は、雇用の増加による事業規模拡大に取り組む事業者を支援する申請枠です。事業終了時に一定の従業員数を超えることが申請となっています。

【卒業枠申請に係る誓約書(様式8)】
自署または記名捺印のうえで、原本を提出します。

 

【労働基準法に基づく最新の労働者名簿】
名簿の写しを提出します。常時使用する従業員分のみで問題ありません。

創業枠の申請に必要な書類

最後に、新たな事業者の立ち上げを支援する創業枠の申請に必要な追加書類を紹介します。

なお、創業枠はすべての新規事業者が対象となるわけではなく、一定の要件に当てはまる事業者のみ申請可能となっています。詳細は補助金制度の概要を解説する別記事にてご確認ください。

創業枠の申請に必要な書類は、下記の3点です。

【創業枠の要件に当てはまることを示す証明書】
具体的には「認定市区町村」もしくは「認定市区町村」と連携する「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を受けたことの証明書の写しを提出します。証明書の有効期限が切れている場合も、適合していれば提出書類として認められます。

なお、証明書は特定創業支援等事業の実施元である「認定市区町村」が発行します。申請までに発行が間に合うよう、スケジュールにはある程度の余裕を持たせておきましょう。

 

【現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書】
法人・NPOの事業者が申請する際に必要となる書類です。申請書の提出日から3か月以内の日付の原本を提出します。

 

【開業届】
個人事業主が申請する際に必要となる書類です。税務署受付印があるものの写しを提出します。

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小規模事業者持続化補助金の加点項目に応じた必要書類

小規模事業者持続化補助金には、一定要件を満たす事業者を優先的に支援する加点制度が用意されています。一部の加点を利用する際には、下記の書類が必要となりますので、申請時の準備を忘れずにおこないましょう。

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事業承継加点の申請に必要な書類

事業承継加点の申請に必要な書類は、下記3点となります。

【事業承継診断表(様式10)】
原本を提出します。地域の商工会・商工会議所が発行する書類となっていますので、スケジュールに余裕を持って申請をおこないましょう。

 

【代表者の生年月日が確認できる公的書類】
運転免許証、健康保険証のコピー、住民票原本の写しのいずれかを提出します。

代表者の年齢が満60歳以上であるかを確認するための書類ですので、マイナンバーは黒塗りにして提出しましょう。なお、確定申告書や開業届などに代表者の生年月日が記載されている場合は追加提出の必要はありません。

 

【「後継者候補」の実在確認書類】

実在確認書類は、代表者と後継者候補との関係によって提出書類が3パターンに分かれています。

①会社として申請し後継者が他の役員(親族含む)の場合、申請書の提出日から3か月以内の日付の「現在事項全部証明書」または「履歴事項全部証明書」の原本、または、役員に就任していることが分かる書類の写しを提出します。
②会社または個人事業主としての申請で後継者が従業員(親族含む)の場合、当該従業員にかかる「雇用契約書」の写しまたは、当該従業員を雇用していることが分かる書類の写しを提出します。
③そのほかのケースでは、本人の運転免許証の写しや住民票の写しなど、実在確認用の公的書類を提出します。

なお、個人事業主としての申請で後継者が家族専従者の場合「確定申告書または青色申告決算書」で専従者であることが確認可能であれば、追加資料は不要です。

経営力向上計画加点の申請に必要な書類

中小企業庁は、人材育成や財務管理、設備投資の取り組みを通して経営力の向上を目指す中小企業や小規模事業者を経営強化法によって支援しています。小規模事業者持続化補助金においても、関連する加点項目が用意されていますので、要件を満たす事業者の方はぜひ活用しましょう。

経営力向上計画の詳細については、中小企業庁の公式ウェブサイトをご覧ください。

【「経営力向上計画」の認定書】
経営力向上計画加点の申請に必要な書類です。事前に事業所管大臣に申請した経営力向上計画が認定されたことを証明する認定書になります。

東日本大震災加点の申請に必要な書類

東日本大震災加点は、福島第一原子力発電所の影響により「避難指示等の対象となった地域の事業者等」および「被害を受けた水産加工業者等(※)」を対象とした加点です。申請には、下記の書類を追加で提出します。

【食品衛生法に基づく営業許可証もしくは届出書】
保健所の受領印が押印されているものの写しを提出します。

※:原則として魚介類販売業、魚介類競り売り営業、水産製品製造業、複合型冷凍製品製造業の許可を得た事業者が対象となる加点ですが、食品衛生法の改正前における魚介類販売業、魚介類競り売り営業、魚肉練り製品製造業、食品の冷凍又は冷蔵業について許可を受けた事業者で、現法においても有効な許可を得ている事業者についても対象となります。

くるみん・えるぼし加点の申請に必要な書類

第13回公募より新たに追加された加点項目であるくるみん・えるぼし加点は、次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく「くるみん認定」を受けている事業者、もしくは女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく「えるぼし認定」を受けている事業者を対象とした加点です。

申請には、下記の書類が必要となります。

【基準適合一般事業主認定通知書】
通知書の写しを提出します。

インボイス特例の申請に必要な書類

令和5年10月1日の開始を予定しているインボイス制度。免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する小規模事業者の対応負担に考慮し、第13回公募では補助上限額を上乗せするインボイス特例が設けられています。

インボイス特例の申請には、下記の書類提出が必要です。

【インボイス特例申請に係る宣誓・同意書(様式9)】
自署または記名捺印のうえ提出します。法人、個人、NPOいずれも提出が必要ですが、NPOの申請時は法人用・個人事業主用の様式を使用します。

 

【適格請求書発行事業者の登録通知書】
インボイス制度登録済みの事業者は、登録通知書の写しを申請書に添付して提出します。

 

【登録申請データの「受信通知」を印刷したもの】
登録申請手続きを進めている事業者は、電子データを印刷・PDF化して提出します。「受信通知」は、国税庁のウェブサイトでご確認ください。

申請時点で制度登録を進めていない事業者は、申請時には宣誓・同意書のみを提出し、実績報告書を提出する際に適格請求書発行事業者の登録通知書を提出します。

なお、要件確認のため「売り上げに関する書類」、「納税証明書」の提出を求められることがあります。

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書類作成時の注意点

ここまで各申請枠・事業者別で必要となる書類を紹介してきましたが、一部書類では作成・提出時に別途注意が必要なものがあります。

・直近の確定申告書
・法人税確定申告書
・直近1期の法人税申告書(別表一・別表四)
・開業届

上記書類では書類の提出に電子申告(e-Tax)を利用した場合、受付印が押印されていないケースがあります。その際には、受付印の代用として受付結果(受信通知)を印刷したものを申請書に添付して提出します。

また、申告書の表紙に受付印がない場合、追加で「納税証明書(その2:所得金額の証明書)の写し」を提出する必要があります。

小規模事業者持続化補助金の最重要書類「経営計画書兼補助事業計画書」の作り方

これまで紹介したとおり、小規模事業者持続化補助金では複数の書類を提出する必要がありますが、そのなかでもとくに重要なのが「経営計画書」および「補助事業計画書」です。

これらの書類は様式が指定されており、限られたスペース内で独自の強みや将来性を明示していかなければいけません。

全国商工会連合会の小規模事業者持続化補助金公式ウェブサイトには、「申請書記入例」として経営計画書・補助事業計画書の記入例がいくつか掲載されています。ご自身の事業に近い業種のものがあれば、そちらを参考に記入を進めるのもよいでしょう。

普段の業務が忙しく、経営状況の分析や事業計画の策定になかなか時間をかけられない方は、専門家に申請のサポートを検討するのもおすすめです。

たとえば中小企業診断士は、企業の経営課題に対応するための診断・助言をおこなう専門家であり、経営計画書の作成においても強力なサポーターとなり得るでしょう。また、行政書士は公的文書作成のエキスパートともいえる存在ですので、作成した申請書類のチェック・ブラッシュアップ作業のサポートが期待できます。

なお、「補助金の窓口」では、補助金申請サポートの実績を持つ中小企業診断士が書類作成から補助金の受給までをサポートしています。平日10時~18時には無料のLINE電話相談も受け付けていますので、ぜひお気軽にお問合せください。

まとめ

小規模事業者持続化補助金申請する際には、「全申請者が必須の提出書類」と「希望する枠・特例に応じて必要となる書類」、「個人事業主や加点項目を利用する事業者など、一部事業者のみ必要となる書類」の3種類の書類が必要となります。

定められた様式に沿って記入し、添付書類の漏れが無いようダブルチェックとともに申請作業を進めていきましょう。また一部の書類は商工会・商工会議所から発行を受ける必要がありますので、申請スケジュールは余裕を持たせておくことをおすすめします。

なお、効率よく申請を進めたい方、申請後の事業取り組みや成果報告までスムーズに取り組んでいきたい方は、ぜひ「補助金の窓口」をはじめとした専門家への相談をご検討ください。

2023年・令和5年度の小規模事業者持続化補助金について解説!対象者や金額、変更点をご紹介

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