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はじめに
事業再構築補助金は、コロナダメージを負った中小企業への救済策※として始まった大型補助金ですが、申請するためには各種要件をクリアするほか、「思い切った転換」が必要とされており、自社の状況や計画内容と照らして申請を断念してしまう事業者様は少なくありません。
- 現在はコロナ以外にも物価上昇、原油価格高騰等の影響を受けた事業者様や、今後の成長が期待される分野への転換を図る事業者様も対象としています
- 事業再構築補助金の詳しい内容はこちら→事業再構築補助金とは?
要件については、申請枠によって異なるためそれぞれ確認が必要ですが、状況や計画内容については検討の余地が十分にあり、実際に弊社にご相談頂いた事業者様の約8割が計画内容の変更を経て無事に採択を勝ち取っています。
そこで本記事では、「申請を諦めていた事業者様の活用(採択)事例」を4社ご紹介させていただきます。
活用事例・採択事例
①自動車部品加工製造業A社(金属加工業➡金属加工業への転換)
- 既存事業:ガソリン自動車用部品の加工製造
- 新規事業:EV自動車用部品の加工製造
- 計画内容:コロナ禍で取引先の自動車メーカーが減産し、部品加工を担う自社の業績が悪化した。さらに、外出自粛によるCO2削減効果が世界で認められ、EV車への関心も高まった。
本事業では、これまで培ってきた部品加工の高度な技術を最大限生かし、横型多段式鍛造機を導入することでEV車用の部品加工にシフトした。 - 交付決定額:2000万円
②建築業B社(建築業➡建築業への転換)
- 既存事業:フルオーダー住宅の設計・建築・販売
- 新規事業:セミオーダー住宅の設計・建築・販売
- 計画内容:輸入木材の単価および輸送費が上がったため価格転嫁を敢行するほかなく、これによりフルオーダー住宅の受注数が40%以上落ち込んだ。
本事業では、顧客が複数の選択肢(家のモデルタイプ・設備・レイアウト・壁紙・壁面等)から自由な組み合わせが選択できるセミオーダー式の住宅販売にシフトしたほか、VRモデルハウスの導入によって、見学から契約意思決定までをオンラインにて完結させることで感染リスクの低減、業務効率化、コストダウン(=価格減)を行いV字回復に成功した。 - 交付決定額:2750万円
➂洋食店C社(飲食店➡飲食店への転換)
- 既存事業:洋食店
- 新規事業:洋食店のテイクアウト+デリバリーサービスの展開
- 計画内容:コロナ禍にて来店式の店舗は客足が激減。本事業にて、内装工事および急速冷凍機やパッケージング設備等を導入し、テイクアウト&デリバリー業態に転換した。
- 交付決定額:3000万円
④繊維業D社(繊維業➡繊維業への転換)
- 既存事業:OEM製品の製造販売(BtoB)
- 新規事業:自社ブランド製品の製造とオンライン販売(BtoC)
- 計画内容:コロナ禍でアパレル業界が右肩下がりとなり、OEM受注も激減した。本事業にてECサイト構築と倉庫兼工場建設を行うことで、自社ブランドの立ち上げとオリジナル製品の製造、及びBtoC分野への新規参入を果たし、サプライチェーンの刷新と商圏の拡大を実現した。
- 交付決定額:6000万円
活用事例の解説
上述のように、事業再構築補助金は「思い切った転換」を行うことが強く求められますが、この「思い切った」という点が弊害となって、申請できないと判断する事業者様は非常に多く見受けられます。
しかし、たとえば製造業からサービス業に転換するなど、全く異なる業種(または事業)への転換を図る事業者様は意外にも少数であり、実際に今回ご紹介した4社の活用事例に共通するのは〝業種がすべて同じ〟という点でした。飲食業は飲食業に、部品加工業は部品加工業にと、いっけん思い切った転換をしたようには見えませんが、事業者様にとって、売り方や製造方法(業態)、ターゲット(製品・エンドユーザー)を変えることは極めて大きな変化であり、それはイコール、事業再構築補助金が求める「思い切った転換」のクリアにほかなりません。
たとえ同じ業種であっても、こうした「既存事業と新規事業の違い」を事業計画書内で明確に示すことで、補助対象者としての資格が得られる=申請が可能になります。
まとめ
事業再構築補助金は、今後も継続的に実施することが約束された補助金ではありません。コロナ禍や物価高騰、原油価格高騰等による影響を受けV字回復を実現したい事業者様や、今後の成長が見込める分野への参入を果たしたい事業者様は、ぜひお早めにご検討ください。
申請できないとあきらめている方や、現在申請を迷われている方も、まずは複雑な要件をクリアしているかどうか、自社の計画が再構築補助金に申請可能か否か等を専門家にご相談ください。
弊社では経験豊富な補助金コンサルタントが在籍しており、補助金に関する豊富な知識、ノウハウをもって、より良い補助金の活用方法をご提案させて頂いております。どうぞお気軽にご相談ください。
※当サイトは、皆様のご意見、ご要望を積極的に取り入れ、価値ある情報の発信に努めております。今回の事例以外にも「○○業種の採択事例が知りたい」などのご要望等ございましたらこちらにお寄せ下さい→お問い合わせ