【2024年版】インボイス制度への対応にIT導入補助金(デジタル化基盤導入類型)が活用可能

2023年10月から開始したインボイス制度。制度開始に向けて、経費システムの更新や新ツールの導入を検討している事業者も多いかもしれません。インボイス制度への対応を目的としたITツールの導入は、IT導入補助金の申請対象となります。今回は、インボイス制度への対応で利用できる補助金の概要や、申請のスケジュールについて解説していきます。
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インボイス制度への対応が想定されるシステム

インボイス制度が開始されると、どのようなシステムで対応が必要となるのでしょうか。

まず想定されるのが、請求書発行ツールや会計システム、販売管理システムなどのITツールです。インボイス制度の開始後は、請求書の発行や消費税の取り扱いなどに変更が生じるため、それらの業務に使用しているツールはインボイス制度に対応したものへ刷新する必要があります。

また、レジや券売機、決済ソフトなどもインボイス制度の影響を受けることが想定されます。ソフトウェアはアップデートで対応できるものもありますが、レジや券売機については買い替えとなるケースもあるでしょう。

インボイスへの対応は「IT導入補助金」の対象となる

インボイス制度への対応を目的としたITツールの導入は、「IT導入補助金」の対象となります

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者が事業の課題解決のためにITツールを導入することを支援するための補助金です。IT導入補助金には大きく分けて次の4つの区分があり、それぞれ対象となるITツールや補助額などが異なります。

・通常枠(A・B類型)
・セキュリティ対策推進枠
・デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
・デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)

インボイス制度への対応は、上記の内「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)」に該当します。ソフトウェアの導入費だけでなく、ハードウェアの購入費も補助金となりますので、ぜひ自社での活用を検討してみましょう。次の章にて、本補助金制度について詳しく紹介していきます。

【2024年版】デジタル化基盤導入類型の概要

2023年3月下旬より、2023年度のIT導入補助金の申請がスタートしました。ここからは、インボイス制度への対応で活用できる「デジタル化基盤導入類型」の制度概要を確認していきましょう。

IT導入補助金の対象事業者

IT導入補助金を受けられる対象は、「中小企業」および「小規模事業者」です。中小企業と小規模事業者には業種に応じて資本金や従業員数の定義が決められており、詳細は下記の通りとなっています。

【中小企業】

業種分類 定義
製造業、建設業、運輸業 資本金の額又は出資の総額が 3 億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300 人以下の会社及び個人事業主
卸売業 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100 人以下の会社及び個人事業主
サービス業(ソフトウェア業又は情報処理サービス業、旅館業を除く) 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100 人以下の会社及び個人事業主
小売業 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人事業主
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工場用ベルト製造業を除く) 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が900人以下の会社及び個人事業主
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人事業主
旅館業 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数200人以下の会社及び個人事業主
その他の業種(上記以外) 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300 人以下の会社及び個人事業主
医療法人、社会福祉法人 常時使用する従業員の数が300人以下の者

【小規模事業者】

業種分類 定義
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数が 5 人以下の会社
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数が 20 人以下の会社
製造業その他 常時使用する従業員の数が 20 人以下の会社

参考:一般社団法人サービスデザイン推進協議会「令和3年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金交付規程」

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IT導入補助金の対象となるITツール

次に、IT導入補助金の対象となるITツールを確認しましょう。

分類 補助対象
ソフトウェア ・ソフトウェア
・クラウド利用料(最大2年分)
・オプション
・導入にかかった役務
ハードウェア ・PC(パソコン)
・タブレット(iPad等)
・プリンター
・スキャナー
・複合機
・POSレジ
・モバイルPOSレジ
・券売機

ソフトウェアについては、「会計・受発注・決済・EC」の機能の内1つ以上を含む必要があります。また、ハードウェアについては併せてソフトウェアの交付申請を行う必要があるため、ハードウェアの導入費単体で補助金を受けることはできません。

補助額・補助率

IT導入補助金で受けられる補助額や補助率は、導入するツールによって異なります。

対象 ITツール PC・タブレット等 レジ・券売機等
補助額 ~350万 ~10万円 ~20万円
内、~50 万円部分 内、50 万円超~350 万円部分
補助率 3/4以内 2/3以内 1/2以内
機能要件 会計・受発注・決済・EC のうち1機能以上 会計・受発注・決済・EC のうち2機能以上 左記ITツールの使用に資するもの

参考:一般社団法人 サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金2023公募要領」

たとえば、会計機能と決済機能を持つソフトウェアの導入に100万円の費用がかかった場合、次の経費を補助金で申請することが可能です。

補助率 補助対象経費 補助金申請可能額
補助率3/4 666,667円 500,000円
補助率2/3 333,333円 222,222円
合計 1,000,000円 722,222円

参考:IT導入補助金「補助金シミュレーター」

仮に補助金の交付が受けられた場合、100万円のツール導入が約28万円の実費で済む計算となります。補助金の申請額については、IT導入補助金の公式サイトでシミュレーションできますので、まずはどれくらいの交付が受けられるか確認してみるとよいでしょう。

【2024年版】IT導入補助金申請のスケジュール

2023年度のIT導入補助金の申請受付は、3月下旬よりスタートしています。デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)については、第12次募集分までスケジュールが決まっており、詳細は下記の通りです。

なお、インボイス制度の開始は10月ですが、時期が迫るとIT業者への注文が殺到することも想定されます。結果として、「10月の制度開始に間に合わなかった」ということのないように、前もってツール導入のスケジュールを立てておきましょう。

まとめ

2023年10月から開始するインボイス制度は、多くの事業者で会計システムや発注システムなどの対応が必要となります。ソフトウェアのアップデートで対応できるものもありますが、中には新しいツールの導入を迫られることもあるでしょう。

IT導入補助金ではソフトウェアの導入費に加えて、レジや券売機などのハードウェアの購入費も補助の対象となります。ぜひITツールを導入する際は、補助金の活用ができないか確認してみましょう。

「補助金の窓口」では、みなさんからのご相談をお待ちしております。

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