補助金申請を行政書士に相談するメリットとは?

補助金申請は行政書士画像

現在、経済産業省や中小企業庁などが主管する補助金事業は、最高で1億円の補助を受け取れる可能性があるものから、数十万円の補助まで、大小さまざまあります。

ただ、補助金を受け取るための手続きは大変です。

補助金申請には事業計画書などで自社の将来の展望や売上予測を根拠立てて説得的に伝えなければなりません。なのに、それが単なる「こうなったらいいな」という想像や妄想でしかない売上予想になっていると、審査では評価されず、採択からは程遠いです。

そんなとき、説得力のある事業計画書を整えてくれるサポート業者は有り難い存在です。

補助金申請サポート業者の中には、行政書士事務所もあります。
しかし、税理士・中小企業診断士・公認会計士・弁護士など、ほかの資格を持っている方々も、補助金の申請代行を受け付けている場合があります。

補助金の申請代行を依頼する場合、行政書士に問い合わせたほうがいいのでしょうか。それとも、ほかの資格保有者のほうが望ましいのでしょうか。この記事の中で検証していきます。

※この記事は、公募前である2021年2月20日現在の情報を基にして制作しています。参考になさる際は、常に、経済産業省や中小企業庁などの公的機関が発信する最新情報と照らし合わせてくださいますようお願い致します。

補助金申請は誰に依頼すべきか、そもそも行政書士の業務とは?

行政書士は、弁護士や司法書士と並び、法律の専門家だとされています。
そして、司法書士と共に、その専門知識を生かして、官公庁などの公的機関に提出する難しい書類の作成を、クライアントの代わりに行う役割を担っています。

司法書士は、おもに法務局や裁判所に提出する書類の作成を引き受けます。

一方で、行政書士の場合は、法務局や裁判所以外、ほぼすべての公的機関に提出する書類の作成を一手に引き受けています。

行政書士法第1条の2によると行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類〔※中略〕その他権利義務又は事実証明に関する書類〔※中略〕を作成することを業とするとあります。

そして、さらに行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができないと定められています。

たとえば、厚生労働省が主管する助成金の申請に必要な書類作成や提出などの代行は、社会保険労務士の独占業務であるとされていて、ほかの専門家は排除されています。

よって、行政書士が助成金の申請代行をすることはできません。

補助金申請代行と行政書士

一方で、経済産業省などが主管する補助金の申請代行は、どの資格者の独占業務ともされておらず、制限がありません。

ですから、補助金の申請代行を行う行政書士もいます。
そのほか、税理士・中小企業診断士・公認会計士・弁護士なども代行していますし、民間のコンサルティング会社も参入している例があります。

補助金申請代行業がどのような資格等に裏付けられているかで、クライアントが期待するイメージが変わってきます。

たとえば、税理士や公認会計士に依頼すると、会計上の数字の根拠をもって、補助金の申請に添付する事業計画書の作成に協力してくれる強みがあります。

また、中小企業診断士や弁護士、民間コンサルティング企業であれば、経営戦略や法的戦略に沿いながら、事業計画書の作成をサポートしてくれそうだと期待できます。

ただし、アドバイスやコンサルティングを重視して、実際には申請書や事業計画書などをクライアントに書かせる例も少なくありません。

その点、行政書士はそもそも公的機関に提出する書類の作成代行に慣れている専門家です。相談に乗ってくれたり、助言してくれたりするだけでなく「行政書士さんなら、うまく代筆してくれそう」という期待感があります。

起業家に身近な行政書士の強み

加えて、行政書士は会社の創業に関連する書類作成の代行も多く実施しています。

会社の創業に関連する書類作成の代表格は、さまざまな許認可の申請です。

たとえば、建物の工事を仕事にしたいときは建設業の許可、タクシー業で開業したいときは運送業の許可が必要です。いずれも手続きが複雑で多種多様な書類の作成と提出が求められますので、行政書士の出番です。

飲食店を開業するときは、保健所に営業許可申請を出したり、ほかにも消防署や警察署へも必要な申請を出したりと、この手続きも複雑です。よって、行政書士に依頼することも増えています。

そして、こうした開業に合わせて補助金を申請したいという起業家の需要も大きいので、「それなら、行政書士さんに補助金申請も代行してもらおうか」という流れになりやすいのです。

このように、これから起業を考えている人々にとって身近な存在であることも、行政書士の強みといえます。許認可申請を依頼して、そこからの自然な流れで途切れなく、補助金申請もお願いする例が少なくありません。

会社の成長期にも寄り添う行政書士の存在感

創業期を乗り越えて、会社が徐々に成長していき、「次の一手」が必要になるときも、行政書士の出番が待っていることが多いです。

たとえば、取引先との間で取り交わす契約書の文面を作成する役割を果たすこともありますし、会計業務である記帳代行業務を担当したりもします。

あるいは、営業秘密や知的財産などを保護するときには法的な知識やノウハウが必要ですので、行政書士のアドバイスも役に立ちます。

そのような会社にとって成長期・安定期ともいえる局面で、財務的な後ろ盾が欲しくて、経営者が補助金を申請したくなってくることもあるのです。

たとえば、新たな販路を求めて新製品の開発をするための設備投資に必要な初期費用について、採択されれば金額も大きな「事業再構築補助金」でサポートしてほしいとなれば、やはり行政書士に補助金申請サポートをお願いする流れができやすいです。

事業再構築補助金の申請手続きも複雑で、しかも経営者同士の競争が激しくなります。採択率は比較的高いと考えられますが、そこで多くの経営者は、専門家である行政書士に申請サポートを依頼して、事業再構築補助金の採択に成功する確率を引き上げたいと期待するのです。
関連記事:事業再構築補助金について詳しく解説はこちら

このほかにも、新たな販売ルートの開拓にかかる経費を一部補助する「共同・協業販路開拓支援補助金」、あるいは海外進出にかかる経費をサポートする「中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業補助金」や「ものづくり補助金(グローバル展開型)」など、会社の成長期で役に立つ補助金も多数用意されています。

2019年には中小企業庁が「ふるさと名物応援事業補助金事業」という、その地域ごとの優れた資源を活かした新商品・新サービスの開発、そして新たな顧客層の開拓をめざすことを目的とした補助金を出していました。

今後も、時代の変化や経営者の需要に応じて、国や地方自治体がさまざまな補助金企画を打ち出していくに違いありません。

そんなときにも、補助金申請代行を行政書士に依頼するタイミングといえるでしょう。

まとめ

補助金申請代行業を行うのに、資格は特に必要ありません。
それでも、行政書士は書類作成代行のプロフェッショナルであることから、補助金の申請代行を依頼する場面でも安心感があります。

また、さまざまな行政手続きなどが必要となる会社の経営者にとって、行政書士は身近な存在です。会社の創業期・成長期・成熟期ごとに、受け取れると有り難い補助金もありますので、補助金に強い行政書士のサポートを得られると心強いでしょう。