【最新】ものづくり補助金の対象事業者・補助金額は?活用事例を紹介

中小企業が働き方改革や生産性の向上に取り組む際に活用できるのが、「ものづくり補助金」です。通常枠では最大1,250万円の補助金を受けることができ、多くの事業者が設備投資や製品開発に活用しています。

本記事では、ものづくり補助金の対象となる事業者や補助金額について解説します。実際にものづくり補助金を活用した成功事例も紹介しますので、ぜひ交付申請を行う際の参考にしてみてください。
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ものづくり補助金とは

中小企業では、今後数年にわたって働き方改革やインボイスの導入に取り組む必要があります。ものづくり補助金は、中小企業が対面するそれらの課題解決のために、生産性向上や生産プロセスの改善に取り組むことを支援する補助金制度です。

ものづくり補助金には、次の5種類の枠が設けられており、それぞれ対象となる事業や補助金の上限額などが異なります。

  • 通常枠
  • 回復型賃上げ・雇用拡大枠
  • デジタル枠
  • グリーン枠
  • グローバル市場開拓枠

また、ものづくり補助金の交付を受ける基本要件として、下記の条件が定められています。

  • 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加。
    (被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加)
  • 事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とする。
  • 事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加。

引用:ものづくり・商業・サービス補助金事務局「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(16次締切分)」

ものづくり補助金の対象事業者

ものづくり補助金の対象となる事業者は、下記の条件に当てはまる中小企業です。

業種 資本金 常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業、旅行業 3億円 300人
卸売業 1億円 300人
サービス業
(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業
(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)
3億円 900人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
その他の業種(上記以外) 3億円 300人

引用:ものづくり・商業・サービス補助金事務局「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(16次締切分)」

また、上記以外に従業員が300人以下の特定非営利活動法人や社会福祉法人もものづくり補助金の対象事業者となります。

ものづくり補助金の補助金額と補助率

ものづくり補助金には、全部で5つの申請枠があり、それぞれ補助金額や補助率が異なります。詳細は下記表の通りです。

従業員数 補助率
5人以下 6~20人 21人以上
通常枠 100万~750万円 100万~1,000万円 100万~1,250万円 1/2

小規模企業者・小規模事業者、再生事業者2/3

回復型賃上げ・雇用拡大枠 100万~750万円 100万~1,000万円 100万~1,250万円 2/3
デジタル枠 100万~750万円 100万~1,000万円 100万~1,250万円 2/3
グリーン枠 エントリー類型 100万~750万円 100万~1,000万円 100万~1,250万円 2/3
スタンダード類型 750万~1,000万円 1,000万~1,500万円 1,250万~2,000万円
アドバンス類型 1,000万~2,000万円 1,500万~3,000万円 2,000万~4,000万円
グローバル市場開拓枠 100万~3,000万円 1/2、小規模企業者・小規模事業者 2/3

引用:ものづくり・商業・サービス補助金事務局「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(16次締切分)」

たとえば、通常枠を利用する中小企業(従業員10人)の場合、最大で1,000万円の補助金を受けることができます。補助率は1/2ですので、2,000万円以上の経費に対して最大1,000万円の補助金が支払われる仕組みです。

各枠によって要件が異なりますので、自社で活用できる枠はどれかよく検討してみましょう。

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ものづくり補助金の活用事例

「ものづくり」と聞くと、製造業に限った補助金のように感じられるかもしれません。しかし、ものづくり補助金は製造業だけでなく、医療業界や宿泊業界、飲食業界など幅広い業種で活用されている補助金です。

ここからは、その活用事例を一部紹介していきましょう。

活用事例①自社製品の開発により海外販路を獲得

【対象事業者】菓子製造機械の製造業者

もともとは業務用菓子製造機械のメンテナンスを行っていた会社ですが、事業を手掛ける中で「小規模ロットの需要に適した機械がないのでは?」ということに気が付きました。自社で商品開発ができないか検討している折に、ものづくり補助金の存在を知り活用を決意。

その後、補助金の採択を受けて自社製品の開発に成功し、国際展示会や博覧会にも積極的に参加した結果、現在は海外販路の拡大に成功しています。

活用事例②先端設備の導入により院内の衛生環境の向上

【対象事業者】歯科医院

新型コロナウイルス感染拡大により、医療機関では感染症対策への課題が急務となりました。この歯科医院では、それまでにも衛生環境の維持に取り組んでいましたが、患者からのニーズはそれを上回るものとなっていました。

そこでものづくり補助金を活用して口腔外バキュームを導入し、治療中に口腔外へ出てしまう粉塵を吸い取る環境を整えることに成功。これによって、院内感染のリスクが低減し、顧客満足度の向上だけでなく従業員の離職防止にもつながっています。

活用事例③ホテル向けのセルフオーダーシステムの開発

【対象事業者】デジタルサイネージの製造業者

デジタルサイネージ(電子看板)の製造を主力としている企業で、多言語で表示できるタッチパネルのオリジナル製品の開発を行っている事業者です。インバウンドの増加により多言語での対応に追われるホテルに導入を進めましたが、その中でホテルでは人手不足の課題を抱えていることにも気が付きました。

そこでものづくり補助金を活用し、ホテルの客室から注文ができるセルフオーダーシステムの開発に成功。顧客が自身のスマートフォンからお土産やルームサービスを注文できるシステムを開発したことにより、人手不足や顧客満足度の向上に貢献しました。

開発したシステムは専用端末の導入が不要で初期費用が安いことから、現在は飲食店など小規模事業者でも応用できるよう改良が進められています。

活用事例④屋内の木製ジャングルジムの開発

【対象事業者】家具・装備品製造業

木製のキッチン用品やバス用品を製造している企業でしたが、市場価格の下落やニーズの低下により売上減少の課題を抱えていました。その中で新たに家具や遊具の製作にも取り組むようになり、徐々に受注が増加。

新たな事業の中枢として成長させるために、ものづくり補助金を活用して屋内用の木製ジャングルジムの開発に成功しています。強度と安全性に優れていることに加えて、デザイン性の高さも評価され、現在は商業施設やレストランなど多くの人が集まる場所への販路拡大にも取り組んでいます。

まとめ

ものづくり補助金は、製造業だけでなく幅広い中小企業で活用できる補助金です。生産性向上や設備投資、自社製品の開発などさまざまな経費に充てられますので、ぜひ経営課題の解決に活用することを検討してみましょう。
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