起業・創業時に役に立つ補助金・助成金とは

起業会社設立補助金

○起業・創業時に役に立つ補助金・助成金5選
事業承継補助金・引継ぎ補助金
●小規模事業者持続化補助金
●キャリアアップ助成金
●地域中小企業応援ファンド【スタート・アップ応援型】
●創業助成事業(東京都)

補助金・助成金と言ってもさまざまなものがあり、経済産業省や厚生労働省の施策によるものや自治体が独自に行っているもの、金融機関などが出資しているものなどがあります。

起業時や創業時にこれらの補助金や助成金をうまく活用しておくと、創業時のお金の不安が軽減され、うまくスタート・アップさせることが可能です。

起業・創業時に役に立つ補助金・助成金をいくつかご紹介していきます。

自治体が行うものについては代表例として東京都と大阪府の事業をご紹介しますが、お住いの自治体にも同じような事業が行われていないか調べてみましょう。

・事業承継・引継ぎ補助金
事業内容 中小企業の事業継承・引継ぎを支援し、事業承継後の設備投資や販路開拓などの新たな取組や廃業にかかる費用を補助する。
「創業⽀援型」「経営者交代型」「M&A型」「専門家活用型」の4つの類型によって支援を行う。
対象 中小企業などが保有している経営資源を引き継いで創業する者など
補助率 2/3
補助額 400~800万円
※引継ぎ時の廃業による上乗せ額200万円

「事業承継・引継ぎ補助金」は、「事業承継補助金」と「経営資源引継ぎ補助金」がまとめられて作られた、令和3年度に実施される補助金です。

「創業⽀援型」「経営者交代型」「M&A型」「専門家活用型」の4つの類型が用意されており、それぞれのタイプに応じた支援を受けることができます。

内容は以下の通りとなっています。

創業⽀援型 ほかの事業者が保有している経営資源を引き継いで創業する場合
経営者交代型 親族内継承などによって経営資源を引き継いだ場合
M&A型 株式譲渡や事業譲渡などM&Aによって経営資源を引き継いだ場合
専門家活用型 事業引継ぎ時に専門家である士業を活用した場合の資金を補助

令和2年度にはなかった「創業支援型」が追加されていますので、うまく活用するといいでしょう。

・小規模事業者持続化補助金
事業内容 ウィズコロナ・ポストコロナ時代に対応する販路開拓などの取り組みに対して支援を行う。
「一般型」「低感染リスク型ビジネス枠型」の2つの類型によって支援を行う。
対象 個人事業や中小企業など地道な販路開拓などに取り組みたい者など
補助率 2/3~3/4以内
補助額 50~100万円

小規模事業者持続化補助金は令和3年度においては、「低感染リスク型ビジネス枠」「一般型」で公募される予定になっています。

令和2年度については、「一般型」と共に「コロナ特別対応型」が公募されてきましたが、令和3年度においてはより「ポストコロナ」を意識したものとなっています。

「低感染リスク型ビジネス枠」においては、コロナの影響を受けた個人事業主や小規模事業者がウィズコロナ・ポストコロナに対応した販路開拓などに対する支援となっています。

コロナ禍にあって、新たに店舗販売だけではなく、インターネット通販に力を入れるための投資を行うような場合に補助金を受けることができます。

「一般型」においては、「低感染リスク型ビジネス枠」に該当しない販路開拓などに対する取り組みを支援していきます。

・キャリアアップ助成金
事業内容 企業内の非正規雇用労働者のキャリアアップを促進するため、正社員化などの取り組みに対して補助金を支給する制度。
「正社員化コース」など6つのコースが予定されている。
対象 有期雇用労働者などを正規雇用労働者などに転換したい事業者など
助成額 ■支給額(1人当たり:中小企業の場合)
・有期雇用労働者から正規雇用労働者に:57万円
・有期雇用労働者から無期雇用労働者に:28万5,000円
・無期雇用労働者から正規雇用労働者に:28万5,000円
■加算額(1人当たり:中小企業の場合):28万5,000円
※有期雇用労働者を正規雇用労働者で直接雇用した場合

「キャリアアップ助成金」は、企業内で働く非正規雇用労働者を、キャリアアップを促進するため、正社員化する場合などに助成される制度です。

コースは6コース用意されており、「正社員化コース」のほかに、「障害者正社員化コース」「健康診断制度コース」「諸手当制度等共通化コース」「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」「短時間労働者労働時間延長コース」が用意されています。

令和3年度からは内容が変更されることになっており、現行では正規雇用に転換した際に賃金が5%以上増額していることが条件になっていましたが、新要件では「3%以上」に改められています。

・地域中小企業応援ファンド【スタート・アップ応援型】
事業内容 地域の農林水産物や伝統技術などを活用した商品開発や販路開拓などに対して費用を助成する制度。
対象 中小企業と農林漁業者の連携体やNPO法人と農林漁業者の連携体など
支給額 例:ちば中小企業元気づくり基金:上限1,000万円
例:ひょうご農商工連携ファンド:上限500万円
例:おおいた中小企業活力創出基金:上限1,000万円
※各都道府県のファンドによって異なる

「地域中小企業応援ファンド」は、中小機構と各都道府県の公共団体・地方銀行などが共同出資して組成された官民ファンドであり、地域貢献性が高い新事業に取り組む中小企業者に賃金を助成する制度です。

各地の農林水産物や伝統技術を活用して商品開発・販路開拓の取り組みを支援するもので、研究や商品開発、需要の開拓などが助成対象となっています。

支援内容については、地域のファンドによって異なり、返済の必要はなく、複数年にわたって賃金の助成を受けられるものもあることから利便性が高い助成制度として注目されています。

・創業助成事業(東京都)
事業内容 東京都が独自に行っている助成事業であり、東京都内での創業などで必要になるテナント料や広告費などに対して支援を行う。
対象 東京都内での創業を具体的に計画している個人や創業5年未満の中小企業など
補助率 2/3
補助額 100~400万円

「創業助成事業」は東京都が独自に行っている助成事業であり、東京都内での創業予定者や東京都内で創業5年未満の中小企業を対象に助成を行います。

創業初期に必要になる経費の一部が補助されます。

助成対象となる経費は6種類あり、テナントなどの賃借料、設備を導入する際の器具備品購入費、広告費、産業財産権の出願費用、従業員人件費、専門家指導費に活用することができます。

起業する際には何かと経費が必要となりますから、うまく活用すれば利便性の高い事業でしょう。

・大阪起業家グローイングアップ補助金(大阪府)
事業内容 ビジネスプランコンテストの優秀提案者であり、大阪府内の事業者または大阪府内で起業しようとする者に対して費用を補助する。
対象 大阪府内での創業を具体的に計画している個人や条件を満たしている中小企業など
補助率 1/2
補助額 100万円

「大阪起業家グローイングアップ補助金」とは、大阪府が独自に行っている補助金事業であり、大阪府内で創業を計画している個人や条件を満たす中小企業に対して支援を行います。

創業時に必要となる経費に対して上限100万円(補助率1/2まで)まで支援を受けることができます。

対象となっている経費には、備品購入などの開業費、テナント料などの賃借料や仲介手数料。設備や工具など備品調達費用、外注費用など、幅広いのが特徴です。

また、補助金の交付を受けることができる期間は3年間となっており、余裕を持って取り組めるために利用者は多くなっています。

○起業・創業時に役に立つ補助金・助成金は4つに分類できる

●経済産業省
●厚生労働省
●地方自治体
●その他・民間団体や企業など

起業・創業時に役に立つ補助金・助成金は、大きく分けて4つに系統に分類することができます。

例えば、経済産業省の系統で言えば「事業承継・引継ぎ補助金」「小規模事業者持続化補助金」、厚生労働省の系統で言えば「キャリアアップ助成金」、地方自治体で言えば「創業助成事業(東京都)」「大阪起業家グローイングアップ補助金(大阪府)」、その他では「地域中小企業応援ファンド【スタート・アップ応援型】」が該当します。

ここでご紹介した補助金・助成金のほかにも、たくさんの事業が行われていますので、これらの系統を参考にして探してみるといいでしょう。