事業再構築補助金の「公式」活用事例を紹介します

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※2023年(令和5年度)4月新年度補助金申請相談受付中!

2021年3月から、事業再構築補助金(中小企業等事業再構築推進補助金)の公募が始まる見込みです。

2020年から世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響で、減収となってしまったけれども、果敢に新たな業界へ進出したり、業態転換に挑戦したりする企業を対象にして、その取り組みでかかる経費の一部を補助するかたちで事業再構築補助金が支給されることになっています。

中小企業向けの通常枠でも最大で6000万円の補助額が設定されており、ものづくり補助金などとも並ぶ大型の補助金として、日本経済の活性化に寄与するものと期待されています。

※この記事は、公募前である2021年2月20日現在の情報を基にして制作しておりますことをご理解ください。経済産業省や中小企業庁などの公的機関が発信する情報をもとに記載させていただいております。詳しく事業再構築補助金の書類作成についてしりたい方はこちら

事業再構築補助金 公式の活用事例

事例のパターンは大きく分けて、2つあります。
ひとつは、新分野へ進出・業態転換をしていること。
もうひとつは、分野は今まで通りで変えずに「デジタル化」「オンライン化」に対応していることです。

事業再構築補助金に関しては、公募前に公式のリーフレットで、15の活用事例が書かれています。リーフレットの記載に加えて、独自の設定やミニストーリーで膨らませながらご紹介します。

事業再構築補助金活用画像

※中小企業庁事業再構築補助金の制度概要より引用

新分野への進出・業態転換

●製造業● 半導体製造装置部品製造

コンピュータに内蔵する精密機器を製造していた工場が、中国など海外で製造される安い部品に押されてしまい、売上が落ち込み始めていた。その落ち込みを回復するため、経営の多角化に乗り出す。精密な電子部品製造の技術を応用して、再生可能エネルギーのブームに乗り、洋上風力発電の設備部品製造へと進出した。風力発電設備メーカーから安定的な発注を受け、成功を収める。

●製造業● 航空機部品製造

コロナ禍によって、航空機による旅客輸送の需要が前年比で9割減にまで落ち込んだ。そこで、加工精度の高い部品製造の経験やノウハウを生かし、ロボット関連部品・医療機器部品の新規事業に乗り出して、成功を収めた。

●製造業● 和菓子販売製造

おもにお土産として人気を集めていた和菓子が、コロナ禍により売り上げ不振に見舞われた。そこで、和菓子で使う果物の種から抽出される成分を利用して、新たに化粧品の製造販売に乗り出した。化粧品メーカーとも連携し、その顧客リストを利用して販売したところ好評で、売上の回復に成功した。

●小売業● ガソリン販売

コロナ禍によって、人々の移動が制約された結果、ガソリンの需要も落ち込んでしまった。もともと、ガソリンの価格は国際事情に振り回されるため、仕入れに大金が必要なわりに、利益を得ることが難しかった。そこで、給油所の面積を30%ほど減らし、空いたスペースにフィットネスジムを開設し、地域の健康需要に対応することにした。結果、月額会員が増えて経営が安定。フィットネス会員が給油客になることも多くなった。

●サービス業● 高齢者向けデイサービス

高齢化社会に対応するため、デイサービス業界が次々と立ち上がり、過当競争になって、売上が減少していた。そこで、一部事業を他者に譲渡し、病院向けの給食や事務等の受託サービスを新規に開始した。医療機関向けの新たな需要を開拓し、売上が少しずつ回復していった。

●飲食業● 弁当販売

居酒屋やレストランに比べれば、コロナ禍による売上の落ち込みは少ないが、弁当の製造販売を行う店舗も経営不振に陥った。そこで、足腰が弱くて店舗まで買いに来られない(あるいは、車の運転ができなくなった)シルバー層に向けて、独自の食品宅配事業を開始することにした。老人ホームやデイサービスに何年も入居し、同じ味に飽き始めていた高齢者の心を掴み、ファン化することに成功した。

●建設業● 土木造成・造園

外出自粛要請により、自宅への来客が激減したため、庭を整える造園業の需要も減っていた。そこで、自社が所有の土地を有効活用して、オートキャンプ業に進出。コロナ禍で他のファミリーと距離を保てるレジャーとして注目を集め、売上が回復した。

●運輸業● タクシー事業

コロナ禍の影響によって遅くまで飲み歩く人が激減したため、タクシーの乗客数も急減していた。そこで、一般貨物自動車運送業の免許を新たに取得し、食品宅配サービスを開始。地元のさまざまな業態の飲食店と連携して、堅調な売上をあげることに成功した。

●情報処理業● 画像処理サービス

テレビ局から映像編集を請け負っていたが、コロナ禍によってテレビ局の外注予算が減少し、発注がほとんどなくなってしまった。そこで、映像編集向けの画像処理技術を活用し、医療用画像診断サービスを新規に開始した。テレビ局からの売上減少を埋めてあまりある売上増を記録した。

デジタル化・オンライン化

●飲食業● 喫茶店経営

コロナ禍の影響で、客足が遠のいてしまった開業40年の純喫茶。味わいのある店内インテリアの雰囲気が人気があったが、その雰囲気を壊さずに、椅子とテーブルを一部撤去して、飲食スペースを縮小。その空間にテイクアウトスペースを新設した。コンビニやファーストフード店では体験できない、豆から厳選した本格的なドリップコーヒーを、オフィスや家庭内でも楽しめると、人気を集めた。

●飲食業● 居酒屋経営

外出自粛要請により、「家呑み」が一般的になった時代に、居酒屋は特に経営面で大打撃を受けた。さらに営業時短要請で、20時以降は酒を出せなくなり、店内で少人数の会を楽しむ顧客らの満足度も低下してしまった。
そこで、食品宅配サービス事業者と連携したうえで、オンライン専用の出前窓口を開設し、テイクアウトや配達の需要に対応した。
宅配サービス事業者が運用するアプリで、新たにその居酒屋を知った顧客が注文し、さまざまな一品料理を気に入って大勢が新規のリピーターとなってくれた。

●飲食業● レストラン経営

コロナ禍で、レストランへの来客が前年比で8割以上も減ってしまった。新型コロナウイルスの感染を予防するため、車から降りずに注文し、テイクアウトできるドライブスルー形式のサービスを新規展開するため、店舗や駐車場の一部を改修した。
その結果、新聞記事でも採り上げられ、新たな客がその味を求めて車で来店するようになった。レストランの料理のファンを新規に獲得することに成功。

●製造業● 伝統工芸品製造

おもに地元のデパートで販売され、堅調な売上をあげていたが、コロナ禍によりデパートの来客数そのものが激減して、工芸品の売り上げも減少した。そこで、外国語での説明を備えたECサイトを開設し、日本全国だけでなく海外にも活路を求め、売上アップに成功した。

●小売業● 衣服販売業

地元の商店街で衣料品を販売していたが、コロナ禍で人々が出かけて他人に会う機会が激減し、おしゃれ着を中心に衣料品の売り上げも落ち込んだ。そこで、衣料品のECサイトやサブスクリプション(月額課金)による試着し放題サービスを開始した結果、日本全国や海外にもファンが増えていった。

●サービス業● ヨガ教室

教室内での「密」を回避するため、一度に教える生徒数を減らさざるをえなくなり、売上が減少してしまった。そこで、オンライン形式でのヨガ講座を開講し、ステイホーム中に運動不足になっている全国のヨガ愛好家を新規顧客として取り込むことに成功した。

まとめ

新たに経済産業省から具体的な事例が出され、事業再構築補助金を検討中の方は、かなりイメージを掴めたのではないでしょうか、3月から公募開始される予定ですが、そろそろ取引のある金融機関や専門家にご相談いただき1次募集に間に合うよう準備を進めることをおすすめします。

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