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【2021年】IT導入補助金とは?わかりやすく解説してみた!
『IT導入補助金』とは、中小企業や小規模事業者などが働き方の改善のためにITツールを導入する経費を補助するという制度のことを言います。
例えば、顧客管理システムや予約管理システム、帳票作成などのITシステムを導入することによって、在庫管理、顧客対応、書類作成などを効率化させることができ、売上アップに繋げることができます。
自社が持っている課題やニーズを明確にすることによって、的確なITツールを選ぶことができ、その導入費用の負担を軽減させることができるのです。
IT導入補助金には「通常枠」「低感染リスク型ビジネス枠」の2種類に分けることができ、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、「低感染リスク型ビジネス枠」が創設されています。
補助金については30万円から最大450万円までとなっており、補助率は1/2もしくは2/3までとなっています。
どのような内容の補助金なのか、わかりやすく解説してみました。
・IT導入補助金「通常枠(A・B類型)」とは
IT導入補助金の通常枠とは、中小企業や小規模事業者などが働き方改革、賃上げなどの目標を達成させるためにITツールを導入するための費用の一部を補助するというものです。
■A類型・B類型の違い
A類型 | B類型 | |
補助金額 | 30~150万未満 | 150~450万以下 |
補助率 | 1/2以内 | 1/2以内 |
プロセス数 | 1種類以上 | 4種類以上 |
賃上げ目標 | 加点項目 | 必須要件 |
A類型・B類型の違いについては、上記表の通りです。
補助金額に大きな差があり、A類型においては30~150万未満まで、B類型においては150~450万以下となっています。
プロセス数とは、ソフトウエアの申請数のことであり、A類型においては1種類以上、B類型においては4種類以上申請しなければなりません。
ただし、B類型への申請が可能な企業が、A類型に申請することは可能となっています。
補助対象となるITツールに差はありません。
■対象となるITツール
業務生産性の向上が期待できるものであり、具体的に以下の通りに分類することができます。
「ソフトウエア(業務プロセス・業務環境)」は、単体ソフトウエアもしくは連携型ソフトウエアで、業種によるものや業務範囲によるもの、業務機能を有するものというように明確に定義して開発されているものを指しています。
一般に販売されているものであり、生産性の向上や業務環境改善に期待できるものが対象となっています。
「ソフトウエア(オプション)」は、機能拡張やデータ連携ツール、セキュリティに関するものが対象となっています。
具体的には、自動化させるツール、テレワーク環境の整備に必要なツールなどとなっています。
「役務」についても対象となっています。例えば導入するためのコンサルティング費用や設定、マニュアル作成、研修、保守サポートなどが対象となっています。
ただしあくまでソフトウエアに関するものであり、ハードウエアについては対象となっていませんので注意が必要です。
■申請の対象となる中小企業・小規模事業者・個人事業主
中小企業
資本金 | 従業員 | |
製造業、建設業、運輸業、ソフトウエア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5000万円 | 100人 |
小売業 | 5000万円 | 50人 |
旅館業 | 5000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
小規模事業者
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 常時使用する従業員の数 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員の数 20人以下 |
製造業その他 | 常時使用する従業員の数 20人以下 |
対象となる中小企業や小規模事業者は上記の通りとなっています。
またその他にも、雇用されている従業員数が一定数以下の医療法人や社会福祉法人、学校法人、商工会、中小企業団体、組合、NPO法人なども認められています。
さらに個人事業主も対象となっています。
・IT導入補助金「低感染リスク型ビジネス枠(C・D類型)」とは
「低感染リスク型ビジネス枠」とは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を抑える取り組むための特別枠となっています。
2021年においても新型コロナウイルス感染症はおさまりをみせていないこともあり、「ポストコロナ」「ウィズコロナ」の状況に対応することが必要であると考えられています。
そのためビジネスモデルの転換に向けての取り組みを行う中小企業や小規模事業者などに対して、経費の一部を補助するための事業が「低感染リスク型ビジネス枠」となっているのです。
具体的には対人接触の機会を低減する取り組みに対して補助されます。
通常枠で補助対象とならないハードウエアも認められることがあります。
■C類型・D類型の違い
C-1類型 | C-2類型 | D類型 | |
補助金額 | 30~300万未満 | 300~450万以下 | 30~150万以下 |
補助率 | 2/3以内 | 2/3以内 | 2/3以内 |
プロセス数 | 2種類以上 | 2種類以上 | 2種類以上 |
非対面化ツール | 必須 | 必須 | 必須 |
賃上げ目標 | 加点要件 | 必須要件 | 加点要件 |
補助対象となる事業 | 複数のプロセス間で情報連携されるツールを導入し、複数のプロセスの非対面化や
業務の更なる効率化を行うことを目的とした事業 |
テレワーク環境の
整備に必要なクラウド対応ツールを導入し、複数のプロセスの非対面化を行うことを目的とした事業 |
低感染リスク型ビジネス枠では上記の通りの類型に分けられています。
通常枠の補助率は1/2以内であるのに対して、低感染リスク型ビジネス枠においては2/3以内となっています。
「非対面化ツール」は新型コロナウイルス感染症の対策となるものですから必ず取り組んでおく必要があります。
「非対面化ツール」とは、テレワーク環境の整備をはじめとして、非対面や遠隔サービスなどを導入したビジネスモデルに転換し、労働生産性の向上を目的としたもののことを指しています。
また、新型コロナウイルス感染症に一日も早く対応できるようにするため、公募開始前の遡及申請可能期間(2021年1月8日(金)以降から交付決定前までの期間)に、ITツールを導入した場合においても補助対象となります。
■対象となるITツール
低感染リスク型ビジネス枠においても通常型と同様に「ソフトウエア(業務プロセス・業務環境)」「ソフトウエア(オプション)」「役務」に分類されています。
効率化を図り、テレワーク環境の整備、業務形態の非対面化(対人の非接触化や遠隔サービスなど)といった労働生産性の向上に取り組んでいくことが目的となっています。
また、通常枠(A 類型・B 類型)では認められていない、ハードウエアレンタルも「役務」として認められていることが特徴となっています。
■申請の対象となる中小企業・小規模事業者・個人事業主
通常枠(A 類型・B 類型)と同様であり、個人事業主も対象となっています。
○IT導入補助金の申請~補助金交付手続きまでの流れについて
- IT導入支援事業者の決定
- ITツールの決定
- gBizIDプライムアカウントの取得の実施(事前準備)
- 交付申請(IT導入支援事業者との共同作成・提出)
- ITツールの発注・契約・支払い(補助事業の実施)
- 事業実績報告
- 補助金交付手続き
申請についてはIT導入支援事業者と相談のうえ、共同して事業計画等を作成し、補助金を受けたいITツールを選んで決定します。
2020年からは申請するためには「gBizIDプライムアカウント」が必要となっています。事前に「gBizID」ホームページよりアカウントを取得しておかねばなりません。
申請後に交付決定が決まれば、『申請マイページ』から申請者へ連絡があります。IT導入支援事業者に報告したうえで、補助事業に取り掛かります。
補助事業が完了すれば、ITツールの発注・契約、納品、支払いなどが確認できるものを提出します。事業実績報告が完了し、補助金額が確定します。