新型コロナの影響で一時的にインバウンド需要は減少したものの、2023年には新型コロナ前に比べても訪日客は8割、旅行消費額は過去最高を記録するほどインバウンド需要は戻り、今後もますます伸びていく予測です。
そうした中で、政府や地方自治体はインバウンド事業をより効果的に展開するための補助金を実施しています。そこで本記事では2024年度に活用できる、インバウンド対策におすすめの補助金について紹介します。
目次
- 補助金が利用できるインバウンド対策とは?
- 2024年のインバウンド対策補助金・調査事業を紹介
- 観光庁「観光地・観光産業における人材不足対策事業」
- 東京都「インバウンド対応力強化支援補助金」
- 観光庁「インバウンド安全・安心対策推進事業」
- 観光庁「地域観光”新発見”事業補助金」
- 観光庁「特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業」
- 観光庁「海外からのミーティング・インセンティブ旅行誘致に向けた地域連携支援事業」
- 観光庁「サステナブルな観光コンテンツの高度化モデル事業」
- 観光庁「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業」
- 観光庁「国際会議開催地としての魅力向上実証事業」
- 観光庁「国際競争力の高いスノーリゾート形成促進事業」
- 観光DXによる地域経済活性化に関する先進的な観光地の創出に向けた実証事業
- 世界に誇る観光地を形成するためのDMO体制整備事業
- 観光庁・地方運輸局「地域・日本の新たなレガシー形成事業」
- 市区町村自治体によるインバウンド関連支援もチェックするのがおすすめ
- まとめ
補助金が利用できるインバウンド対策とは?
政府や地方自治体は、訪日外国人が日本で快適に観光を楽しめるよう、設備やサービスなどのインバウンド対策を支援する補助金制度を実施しています。
具体的なインバウンド対策としては、多言語対応機能の強化、キャッシュレス決済機器の導入、トイレや客室の洋式化、ホームページの多言語対応などが挙げられます。
上記の施策を検討している事業者は、一部費用の補助を受けられる可能性が高いと言えるでしょう。
補助金と調査事業の違いとは?
観光庁をはじめとした官公庁が実施する公募には、調査事業と称される事業があります。
「補助金制度」は、中小企業や個人事業主などの取り組みを、対象事業の経費補助という形で官庁や自治体が支援する制度です。
いっぽう「調査事業」は事業経費を国費により支弁しつつ、調査によって得られた知見を他の地域へ共有し、さらなる事業の発展を目指すのが目的です。また、調査事業では申請対象者が地方自治体や民間事業者による組織・団体などに限定されているケースが多くなっています。
2024年のインバウンド対策補助金・調査事業を紹介
ここからは、2024年に公募が実施されたインバウンド対策補助金や調査事業について詳しく紹介していきます。
■実施中の事業
・観光庁「観光地・観光産業における人材不足対策事業」
・東京都「インバウンド対応力強化支援補助金」
■受付を終了した事業
・観光庁「インバウンド安全・安心対策推進事業」
・観光庁「地域観光”新発見”事業補助金」
・観光庁「特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業」
・観光庁「海外からのミーティング・インセンティブ旅行誘致に向けた地域連携支援事業」
・観光庁「サステナブルな観光コンテンツの高度化モデル事業」
・観光庁「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業」
・観光庁「国際会議開催地としての魅力向上実証事業」
・観光庁「国際競争力の高いスノーリゾート形成促進事業」
・観光DXによる地域経済活性化に関する先進的な観光地の創出に向けた実証事業
・世界に誇る観光地を形成するためのDMO体制整備事業
・観光庁・地方運輸局「地域・日本の新たなレガシー形成事業」
すでに公募が終了している事業についても、類似した内容の補助金・調査事業が公募された際の参考としてぜひご活用ください。
観光庁「観光地・観光産業における人材不足対策事業」
旅行者数の増加や消費額増加のための受け皿としての宿泊業が抱える人材不足への対策、業務効率化としての設備投資やサービスの導入に関わる経費の一部を支援する補助金です。
スマートチェックイン・アウトシステム、チャットボット及び宿泊施設管理システムなど、人手不足を解消するためのシステムや配膳・清掃ロボットなどの設備、その他備品などの経費が対象となります。
一方で、本事業に直接関係のない経費や交付決定前に発生した経費、事業者の光熱水費や通信料などの通常業務を行うために生じる経常的経費、中古設備の購入費などは対象外です。
補助率は1/2で、補助上限額は1施設あたり500万円、1事業者あたり3施設が上限で、申請スケジュールは下記の通りです。
公募期間(二次公募) | 令和6年7月1日(月)~8月9日(金)17:00 ※参加申込締切は令和 6年7月31日(水)17:00 |
交付決定日 | 審査後に決定 |
事業実施期間 | 交付決定後から令和6年12月13日(金) |
東京都「インバウンド対応力強化支援補助金」
東京都内で事業を行う特定業種事業者を対象とした補助金で、訪日外国人のニーズに対応する利便性・快適性向上を目的とした受け入れ対応強化施策に取り組む事業者を支援する補助制度です。
外国人旅行者の受入環境整備のために新たに実施する事業の費用、具体的には多言語対応経費や公衆無線LANの設置、決済機器の導入、施設内トイレの洋式化、人材育成、外国人向けグルメサイトへの登録・掲載などが対象経費となっています。
補助事業に関係のない経費や設備・機器設置後の維持費、施設の運営費、整備費、中古品の購入費などは対象外です。
補助率は1/2で、補助上限金額は1施設・店舗・営業所当たり上限300万円、中小企業団体等・観光関連事業者グループの場合は、1団体・グループ当たり上限1,000 万円となります。
ただし、一部上限額が異なっており、公衆無線LANは設置箇所数に 15,000円を掛けた金額と補助対象経費の1/2の金額のいずれか低いほうの金額で、防犯カメラは上限90万円、コンサルティングに関する経費も補助対象経費の1割が上限となっています。
申請スケジュールは下記の通りです。申請額が予算額に達した段階で受付が終了するため、早めの申請を心がけましょう。
公募期間 | 令和6年4月1日(月)から令和7年3月31日(月) |
交付決定日 | 審査後に交付決定※審査は通常1か月程度 |
事業実施期間 | 交付決定日から1年以内 |
観光庁「インバウンド安全・安心対策推進事業」
気候変動の影響により被害の大きい災害が増える中で、外国人観光客が災害に遭うリスクの増加も懸念されています。こうした不安の解消を目指し、安心して国内を旅行するための施策を支援するために実施される補助金です。
観光施設での非常時対応、医療機関の訪日外国人観光旅行者への対応強化を通して安全な訪日旅行環境を整備し、滞在時間の増加や消費の拡大を目指します。
観光施設内のトイレの整備や災害用トイレの整備、非常用電源装置の整備、多言語案内機能の整備やホームページ作成に関する経費、多言語対応研修・視察研修に要する経費、キャッシュレス決済環境の整備などが対象経費となります。
一方で、土地の取得に要する経費や故障、老朽化などに対応するための修理修繕、継続して使用するために必要な消耗品、保険料、人件費などは対象外です。
対象事業を問わず補助率は1/2となっています。また、災害時などにおける観光危機管理の強化に関してのみ補助金額が500万円以下に設定されています。
申請スケジュールは下記の通りですが、予算上限に達したため現在は受付を終了しています。
公募期間 | 令和6年6月3日(月)~9月27日(金)17:00 ※現在は予算上限に達したため受付終了 |
交付決定日 | 毎月末が応募締切で、審査を経て約2か月後に交付決定 |
事業実施期間 | 交付決定後から令和7年4月10日(木) |
観光庁「地域観光”新発見”事業補助金」
地域の観光資源を活かした地方への誘客促進を目的として、インバウンドだけでなく国内観光客も対象にした観光コンテンツに活用できる補助金です。
マーケティングデータの磨き上げから誘客につながる販路拡大や情報発信など、「申請前支援」「伴走支援」を含む申請前から事業実施にかけて一貫した支援を実施しています。
事業終了後に新たに造成した観光コンテンツの販売開始を見据えた「新創出型」と事業期間中に造成した観光コンテンツを販売することを前提にした「販売型」の2種類があり、応募時にどちらかの類型を選択します。
なお、事業費600万円以上の取り組みを補助対象としているため、申請時には注意が必要です(補助額の上限は1,250万円)。対象となる経費としては大きく分けて下記3つです。
・観光資源を活用した観光コンテンツの造成に係る経費
・備品の購入・設備の導入に係る経費
・販路基盤整備・プロモーションに係る経費
観光コンテンツの造成に係る経費として、商品の企画開発や協議会の開催、専門家からのアドバイス、ガイド育成、ツアーの実施、効果測定に必要な調査などがあります。運営に関する人件費や旅費は対象外ですが、販売型を選んだ場合は、一部対象となります。
備品購入や設備導入に関しては、観光コンテンツを造成するにあたって必要不可欠なもののみ経費の対象です。
販路基盤整備・プロモーションでは、作成した観光コンテンツの販売に必要な写真や動画、ホームページ、チラシ、パンフレットなど、情報発信のための素材やツールの作成にかかる費用が認められています。
本事業に関係ない経費や交付決定前に発生した経費、事務所の家賃、光熱水費、通信料、実施主体の会食費、弁当代等の飲食費、モニターツアー参加者の実施場所への旅費などは対象外です。
すでに一次・二次公募の期間が終了していますが、最新スケジュールは下記の通りです。
公募期間(二次公募) | 令和6年5月31日(金)~ 6月24日(月)正午 |
交付決定日 | 令和6年8月下旬から9月上旬 |
事業実施期間 | 交付決定後から令和7年2月28日(金) |
観光庁「特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業」
地方にある自然や伝統文化、地域人材、食の地産地消を活用することによって、付加価値が高く地域観光の目玉となるような「地方プレミアム体験コンテンツ」を創出するための支援を目的とした補助金です。
体験コンテンツ・イベントの企画開発や実施、造成に必要な備品や設備、認知拡大を目的とした広告宣伝、販路拡大を目的とした外国語による販売システムの構築に関する経費、訪日旅行者の動向・効果の調査に関する経費などが対象で、本事業に直接関係のない経費は認められていません。
本事業には国・地方公共団体、独立行政法人、要件に合致した民間事業者などを対象とした「国・地方公共団体等所管事業」と、地方公共団体・観光地域づくり法人(DMO)・民間事業者などを対象にした「民間企業等支援事業」があります。
国・地方公共団体等所管事業は補助上限8,000万円までで、最低事業費3,000万円です。
民間企業等支援事業のなかには類型がふたつありそれぞれ上限が異なります。
①インバウンド規模3,000名以上の体験コンテンツ・イベント等支援事業
②高付加価値化支援事業(一般的なものと比較して、単価が3倍以上となる高付加価値化の取組)
①の事業では1,500万円は定額補助、1,500万円を超え、6,000万円までの部分については 補助率1/2となります。補助上限額は3,750万円で最低事業費は2,500万円、最低自己負担額 は500 万円に設定されています。
②の事業では1,000万円までが定額補助、1,000万円を超え3,000万円までの部分については 補助率1/2となります。補助上限額は2,000万円で最低事業費は1,500 万円、最低自己負担額 は250 万円です。
現在は二次公募まで受付が終了しており、三次公募は未定となっています。
公募期間(二次公募) | 令和6年3月27 日(水)~4月26日(金)12:00 |
交付決定日 | 令和6年5月末頃 |
事業実施期間 | 交付決定から令和7年2月28日(金) |
観光庁「海外からのミーティング・インセンティブ旅行誘致に向けた地域連携支援事業」
長い滞在日数や高い消費単価傾向のある「ミーティング・インセンティブ旅行(M・I)」と呼ばれるビジネス目的の訪日客の増加を目的とした補助事業で、事業としては下記3つの要素が含まれたものが対象です。
・地域の伝統産業・知的資産等を活用したM・I向けコンテンツの造成・磨き上げ
・チームビルディングコンテンツの造成・磨き上げ
・ユニークベニューの新規活用、夜間等の新たな活用によるモデルイベントの実施
ひとつの申請に対しての補助上限額は1,500万円で、上記3つの類型に関する企画開発費や運営費、有識者への旅費や謝金、関係者との協議に関する会議時の会場費、プロモーション経費などが対象です。
なお、本事業と同一の用途で他の自治体より補助金、助成金、委託費などが支給されているものは認められません。現在は受付を終了していますが、スケジュールは下記の通りです。
公募期間(二次公募) | 令和6年5月14日(火)~6月18日(火)12:00 |
交付決定日 | 令和6年7月下旬頃までの審査・選定後の交付決定 |
事業実施期間 | 令和6年9月1日(日)~12月末日 |
観光庁「サステナブルな観光コンテンツの高度化モデル事業」
地域に根付いた自然や文化などを活用し、地域資源の保全に還元するための好循環の仕組みづくりをすすめ、サービス水準の向上やコンテンツの高度化を実施し、旅行者の体験価値や満足度向上に貢献するための調査事業です。
地方公共団体、民間事業者等が連携する組織や団体、協議会等が対象申請者となっている点、専門ガイドによる同行案内や解説の質向上をはじめとしたサービス水準の向上を重視している点が特徴です。
観光コンテンツ創出のための調査経費や企画開発費、協議会の開催費、セミナーやワークショップの実施経費、地域資源の外国語による情報提供に関する経費、人材育成・確保に関する経費は対象ですが、事業実施者が本来備えている机や椅子などの備品は対象外です。
国費による支弁経費規模1件あたり上限2,000万円です。現在は公募期間が終了しており、公募スケジュールは下記の通りです。
公募期間 | 令和6年3月8日(金)~4月17日(水)14:00 |
事業採択日 | 令和6年5月31日 |
事業実施期間 | 交付決定から令和7年1月31日(金) |
観光庁「歴史的資源を活用した観光まちづくり推進事業」
地域にある歴史的資源を活用した観光まちづくりを、持続的に展開していくために必要に応じて専門家の搬送支援を通じた調査・支援をする調査事業です。地方自治体、民間事業者等が連携する組織や団体、協議会等が申請対象者で、地域計画の策定や高付加価値コンテンツの造成、プロモーションなどが支援対象です。
歴史的資源を活用した観光まちづくりの推進に向けた「A.事業化支援」または「B.モデル創出」に取り組む地域を主な対象として公募を実施していますが、本事業の対象経費は申請する事業によって異なります。
両方とも対象の経費となっているのが、戦略・計画策定経費と調査経費、地域周辺の訪日外国人旅行者の流動動態調査経費、地域事業者などの合意形成や理解促進等のためのセミナー、ワークショップなどの実施経費、地域経済向上のための経費などです。
さらに、「B.モデル創出」では高付加価値コンテンツの企画開発に関する経費、地域資源発掘のためのモニターツアー、旅行商品造成のための旅行会社の招請経費、ガイド人材の育成・確保に関する経費などが対象となります。
本事業の成果物が観光庁以外の財産となる経費や単純なプロモーションのみを目的とした動画制作に関する経費は対象外です。
対象事業の実施時において国費により支弁する経費の上限としては「A.事業化支援」で1,000万円、「B.モデル創出」で2,000万円までとなっています。
なお、期間終了につき公募は終了しています。
公募期間 | 令和6年2月21日(水)~4月1日 (月)17:00 |
事業採択日 | 令和6年5月20日に採択結果通知 |
事業実施期間 | 交付後から令和7年2月28日(金) |
観光庁「国際会議開催地としての魅力向上実証事業」
歴史的建造物や博物館、神社仏閣などの施設「ユニークベニュー」の活用や地元企業との連携による回遊性向上の取組によって、国際会議の誘致を目指す調査事業で、ユニークベニュー活用部門と地域回遊型部門の2種類から申請が可能となります。
ユニークベニュー活用部門は、国際会議参加者1人あたりの実証経費上限額は60,000円、1件あたりの実証経費上限額は1,000万円となります。ただし、国際会議現地参加予定者数×60,000円の合計額とどちらか少ない方が上限額です。
地域回遊型部門は、国際会議参加者1人あたりの実証経費上限額は3万円、1件あたりの実証経費上限額は500万円となりますが、こちらも国際会議現地参加予定者数×3万円の合計額とどちらか少ない方が上限額となります。
申請スケジュールとしては現在受付終了していますが、下記がスケジュールです。
公募期間 | 令和6年2月20日(火)~3月22日(金)12:00 |
事業採択日 | 令和6年4月25日(木)に採択結果通知 |
事業実施期間 | 令和6年5月1日(水)~12月末日までに会期が終了する国際会議 |
観光庁「国際競争力の高いスノーリゾート形成促進事業」
インバウンド需要を取り込む意欲やポテンシャルの高い地域における国際競争力の高いスノーリゾートの形成のための取組を促進することを目的とした、コンテンツの造成、受入環境の整備、スキー場インフラの整備などの費用を対象とした間接補助事業です。
ゴンドラやリフト、ICゲートシステムなどのスキー場のインフラ整備、プロモーション用の動画やパンフレットなどの情報発信費、二次交通の確保費用、外国人対応可能なインストラクターの確保、多言語対応、Wi-Fi整備、キャッシュレス対応費用などが対象です。
本事業に直接関係のない経費やインバウンド需要の取り込みにつながらない経費、交付決定前に発生した経費、補助対象事業者のみの会議や研修に関する経費、スキーインストラクターの雇用に関する経費、圧雪車、スノーモービルなどの購入費は対象外です。
補助率は1/2で、補助上限金額は事業により異なります。スキー場インフラの整備については個別事業1件につき3億円、ICゲートシステムの導入についてはスキー場1か所につき1,200万円が上限です。
現在は公募期間が終了していますが、実施スケジュールは下記の通りです。
公募期間 | 令和6年2月19日(月)~3月29日(金)正午必着 |
交付決定日 | 令和6年6月10日(月)に採択結果公表 |
事業実施期間 | 交付決定から令和7年2月15日(土) |
観光DXによる地域経済活性化に関する先進的な観光地の創出に向けた実証事業
デジタル化・DXの推進を通じて観光地や観光産業の経済活性化を目的とした調査事業で、旅行者の体験価値の抜本的向上や利益率の高い地域の実現につながる先進モデルの構築を目指す取組です。多様な取り組みを行えるよう、企業等からなるコンソーシアムからの応募を対象としているのが特徴です。
事業計画書や報告書等の作成、サービス開発、実証実験、分析・評価、先進モデルの構築などに従事する人件費は対象経費で、本事業を行うために必要な出張や謝金、消耗品、備品のレンタルやリース代なども対象となります。
本事業と無関係な経費や施設の建設や改修の経費、同一活動で別途補助金を受けているもの、国の支出基準を上回る謝金費用などは対象外です。
本実証事業の規模としては、1事業あたり 8、500万円が上限となっています。現在は公募期間が終了していますが、スケジュールとしては下記の通りです。
公募期間 | 令和6年2月9日(金)~3月26日(火)17:00 |
事業採択日 | 令和6年5月21日(火)に採択結果公表 |
事業実施期間 | 交付決定から令和7年1月31日(金) |
世界に誇る観光地を形成するためのDMO体制整備事業
全国で世界的な競争力を有する魅力ある観光地域づくりを促進することを目的として「観光地域づくり法人(DMO)」の体制整備に関する経費補助による、インバウンドに対応した観光地域づくりの促進をするための補助事業で、事業としては3つあります
・外部専門人材の登用
・中核人材の確保及び育成
・安定的な財源の確保に向けた取組
補助上限金額も事業により異なります。外部人材の登用としては、1 人当たりの人件費は1,500万円が上限ですが、同一の外部専門人材を継続して登用する場合には最終年度の上限は1,000万円となります。
中核人材の確保及び育成としては個別事業に関する補助額はそれぞれ500万円が上限で、採用活動や他のDMOとの人材交流、先進的な海外観光地域への視察の旅費、研修・セミナーなどの受講に関する費用が対象です。
安定的な財源の確保に向けた取組として、計画策定のための調査、勉強会などに係る費用は補助額上限が500万円、宿泊税、入湯税、入域料などの地方税、受益者分担金・負担金などの導入に向けた合意形成のための勉強会、シンポ ジウムの開催に関して200万円が上限となります。
現在は受付を終了しており、下記のスケジュールにて実施されています。
公募期間 | 令和6年2月2日(金)~3月4日(月)必着 |
交付決定日 | 令和6年4月16日(火)に採択結果公表 |
事業実施期間 | 交付決定日~令和7年年3月7日(金) |
観光庁・地方運輸局「地域・日本の新たなレガシー形成事業」
国内外から旅行者を惹きつけ、来訪や消費額向上につなげる「レガシー(遺産)」となる新たな観光資源の形成を目指す補助金で、注意点としては、地方運輸局ごとに申請書類や採択件数が異なる点があります。
また、新規以外でも過去に本事業を行った案件でも、日本を代表する魅力的なエリアとなり得る案件には、事業の実現に向け継続支援も行います。
事業の実現やレガシー形成に向けたプラン作成に関する調査経費、協議会の開催費、事業展開のプラン作成費などが経費の対象で、1事業あたり950万円が上限で、継続案件のうち特に重点的な検討を希望する事業については上限1,600万円として応募可能です。
現在は受付を終了していますが、下記スケジュールにて実施されました。
公募期間 | 令和6年2月21日(水)~3月12日(火)12時 |
交付決定日 | 令和6年5月21日(火)に採択結果公表 |
市区町村自治体によるインバウンド関連支援もチェックするのがおすすめ
これまで、主に観光庁のインバウンド関連事業を支援する事業を紹介してきましたが、その他、地方自治体でもインバウンド対策を支援する補助金制度を実施しています。
たとえば、新宿区で実施している「経営力強化支援事業補助金」です。
経営力の強化を考える新宿区内の中小企業者や個人事業主が活用できる補助金ですが、多言語のホームページ・パンフレットなどの制作委託費や店舗トイレ洋式化に関する経費、音声自動翻訳機の購入なども対象経費となっており、インバウンド対策にも使用可能です。
各市町村自治体が実施する補助金制度は自治体ホームページで詳細が公開されています。インバウンド対策経費の補助を検討している方は、事業所所在地の各市町村自治体のホームページをこまめにチェックしてみましょう。
まとめ
本記事では、令和6年に活用できるインバウンド対策におすすめの補助金を紹介してきました。
訪日外国人が増加しているなかで受け入れ態勢が整っていないところが多いため、キャッシュレス決済対応やトイレの洋式化、各種多言語対応などに対応するインバウンド対策で活用できる補助金などが複数実施されています。
現在、受付を終了している補助金などもありますが、今後複数回募集する事業もありますので、自社のインバウンド対策で活用できそうな補助金をチェックしてみてください。